内容説明
ある事件のあと眠らされたルーチェが目覚めたのは、それから十年後―婚約者のリベルトは皇帝になっていた。「ああ、温かい。あなたの、温もりだ」逞しくなった腕に抱き締められ、飢えていたように触れられるたび全身が悦びを覚えていく。リベルトの甘やかな庇護のおかげで順調に回復していくけれど、なぜか頑なに離宮から出してもらえなくて!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デイジー
9
★★☆☆☆古本 割とシリアス寄りのお話。ファンタジーものではないのに、10年仮死状態、しかも年を取らないとか、やや設定に無理やり感。すべてはヒロインの為、というヒーローの執着ぶりは凄まじい。ヒロインが目覚めてからの、大人の男としての葛藤ぶりがいい。終盤、いよいよ黒幕を暴いていく際には、ヒロインも芯のある所を見せる。ヒーローのダークな部分を覗かせるラストは、このお話には合っていると思う。が、やはり私的にはもうちょっと明るめのテイストが好みかな。終盤まで悪役キャラに引っ張られて、安穏と楽しめる気分になれず。2022/09/27
十六夜
5
亡国の王女で、皇帝の私生児ヒーローの婚約者だったヒロイン。仮死状態になる薬を飲み十年ぶりに目覚めたら、年下だった皇子は自分より年上の立派な皇帝になっていた。そのことにとまどいつつ甘やかされて家族愛から男女の愛に目覚めながらも、皇妃として働きたいと望むヒロイン。だがそうするには反皇帝派が危険だし~みたいな感じ。ヒーローの十年積み重ねた愛がそれなりに重いけどヴァニラらしく清らかでよかった。これがソーニャだったら、ね……。敵も最後は一網打尽という感じでハピエン。双子の侍女たちも医師も今後幸せになって欲しいな。2022/01/02