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内容説明
サラは自分の身に起こったことが信じられなかった。上司に内緒で持ち帰った赤いピンヒールの片方が―人気ブランドの貴重な試作品が、行方不明になってしまったなんて。またとないチャンスだったのに。あの靴の記事をうまく書けば、ファッション誌の記者に昇格できたかもしれないのに…。オフィスで頭を抱えていると、思いがけない人物が現れた。一流デザイン会社の若き最高経営責任者、ケイレブ・ルイス。サラが何度もゴシップ記事の対象にしてきたゴージャスなプレイボーイだ。ケイレブは例のピンヒールを拾ったことを匂わせてから切り出した。「実は、君を買収しに来たんだ。僕の会社の記事を書いてほしい」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まとい
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ゴシップ記者のヒロインとそのネタにされるヒーロー。ヒーローの生き方に道を指し示すような「救う」物語だった。孤独なのはヒーローだったのかもしれない。恋愛模様は特に印象に残らなかったんだけど、文の端々にある比喩がすごく素敵で、この表現いいなって何度も立ち止まった。『ステレオから流れるジャズの甘くもの悲しいメロディーが彼の部屋の暗い隅々に満ち、命のない家具の上で踊る』、母の死を『十月の真夜中に静かに去っていったもの』。強い芳香を『彼は百合の庭にほうりこまれたような気がした』。大好きなブラッドベリを連想した。2015/11/08