内容説明
女性トラックドライバーのアプリル・ヘイドンは、ふと手にした新聞の記事に、はっとした。―エジプトでアメリカ人エンジニアが誘拐される、エンジニアの名前はラス・カロウェイ。忘れようとしても忘れられない人の名だ。アプリルは十八歳の時に四つ年上のラスと結婚し、二十一歳の時に、別れた。別れぎわに彼が言った言葉は今も鮮明に覚えている。“君のキスや愛情で、僕は息がつまりそうだった”あれから六年、こんな形で彼の消息を聞こうとは。虚脱状態になってトラックを運転したアプリルは、飛び出してきた小型トラックが避けきれなかった。意識がしだいに薄れていく…。