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内容説明
ブライスが日の出とともに勝手口を開けたとたん、さわやかな朝の潮風にのって懐かしいオルガンの調べが流れてきた。彼女は一方に渓谷、一方に海を見下ろす丘の上に立つコテージに住み、園芸業で生計を立てている。あの音は、同じ渓谷に立つ空き家に誰か引っ越してきたしるしだ。ブライスはビスケットと花束を手に、さっそく新しい隣人を訪問した。ノックに応えて現れたのは、ジャス・トラサーンという長身の男性で、どことなく人を寄せつけない雰囲気を漂わせている。キーボードの名手である彼を、ブライスは音楽家だと思ったが、実は数学者で、ある定理の証明に没頭しているという。ブライスは少しずつ打ち解けてきた彼を好きになるが、どうしても消えないよそよそしさに、不安も感じるのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
3
愛と信頼によって築かれた家庭で育ったヒロインは一人きりで生活することも恐れないし、人付き合いもよく、でも押しつけがましくない。たった一軒だけのお隣に越してきた数学者のヒーローに戸惑いながら、持ち前の明るさで徐々に距離を詰めていく。心の中をなかなか見せてくれないヒーローの葛藤や人の心を推し量る難しさを思う。複雑な背景を持つヒーローが”ひまわりのよう”なヒロインに惹かれるあまり、彼女はいつか自分のもとから去ってしまうと言い聞かせているのが切ない。最後に明かされるヒーローの心情についほだされてしまったわ。2013/12/09
てん・ゆう
1
ちょっと近寄りがたい隣人数学者ヒーローに押せ押せでいく愛されて育った真っ直ぐヒロイン。はねつけられても(まぁ当然な理由がある)またすぐ誘う。とうとう誘惑に抗えずヒーロー陥落。でもやはり愛を知らずに育ち、結婚もうまくいかなかったヒーローは一歩引いた感じに。う〜ん。ハーレクインはページ数少ないのにしっかり説明があるし、納得したって感じ。2011/03/05
ちはや
0
2001.5.25 ★★★☆