出版社内容情報
グローバル化が進展した今日の世界では、「人新世」という概念に象徴されるように、人類と地球の活動のもつれ合いが明らかになり、自らの活動を地球環境との関係の中で考える必要に迫られている。こうした現状にあり、人類の過去と現在の普遍性と多様性を考えることを通して、その未来を切り拓こうとする文化人類学の重要性が高まっている。本書では、著者たちの経験に基づき、文化人類学を基礎づけるフィールドワークと民族誌の現状を具体的に紹介する。
目次
「人新世」時代におけるフィールドワークと民族誌
本質主義の陥穽:フィールドワークと民族誌の功罪
同一性の政治を超えて:過剰なる他者とどのようにつき合うか?
関係としてのフィールド:可能性を拓くためのフィールドワーク
新たな現実の創造を目指して:地球に棲まう存在の民族誌
問いの連鎖が拓くつながり:フィールドワークと民族誌の可能性
民族誌を書きはじめるとき
面白いものを見つける系統的な方法
生成する世界のフィールドワーク
資本主義の民族誌
「人新世」時代の科学のフィールドワーク
「人新世」時代の法の民族誌
臨床の場のフィールドワーク
理性的言語を超えて:別様に聞く、書く
フィールドワークと民族誌の未来
著者等紹介
大村敬一[オオムラケイイチ]
1966年東京都に生まれる。現在、放送大学教授、博士(文学)。専攻:文化人類学
中空萌[ナカゾラモエ]
1983年東京都に生まれる。2020年第47回澁澤賞受賞。現在、広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。専攻:文化人類学、科学技術社会論、法社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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