出版社内容情報
学問としての美学は美・芸術・感性を主たる考察対象とする。西洋での美学の成立とその後の展開を明らかにし、芸術という観念の成立と変貌、美と快の関係、美的なもの、創作、解釈、批評などの主題を論じる。西洋の美術史は人間像を中心とする。まず西洋美術の大半を占めるキリスト教美術の成立と展開を聖母や幻視などの主題を中心に概観し、さらに死、性、食、自然などのテーマがいかに造形と結びついたか、東洋の事例とも比較し多くの作品から考える。
目次
美学の成立―感性的認識の学から芸術の哲学へ
美学の展開―芸術作品の存在論、感性論、身体美学
美―快とのかかわりに即して
美―知覚とのかかわりに即して
美的範疇―美の変貌
芸術の成立―模倣する技術から美しい技術へ
芸術の変貌―革新を支えるもの
創作と解釈―その循環構造をめぐって
聖像と偶像―宗教美術の始まり
聖母と美術―信仰を育んだイメージ
幻視と召命―キリスト教美術の本質
死と追悼―墓廟と記念碑
飲食と食材―風俗画と静物画
性と裸体―ヌードの歴史と意味
自然と人間―風景画と自然表現
著者等紹介
小田部胤久[オタベタネヒサ]
1958年東京都に生まれる。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授、日本学士院会員。専攻:美学芸術学
宮下規久朗[ミヤシタキクロウ]
1963年名古屋市に生まれる。現在、神戸大学大学院人文学研究科教授。専攻:イタリアを中心とする西洋美術史・日本近代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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