目次
刑法における生命保護の基本1―総説
刑法における生命保護の基本2―堕胎罪
刑法における生命保護の基本3―死体損壊罪・動物傷害罪
刑法における生命保護の基本4―殺人罪・傷害致死罪
生命に対する保護の加重1―強盗殺人罪
生命に対する保護の加重2―保護責任者遺棄罪
生命に対する保護の加重3―略取誘拐罪と特別の減免制度
生命に対する保護の加重4―結果的加重犯
生命に対する保護の加重5―過失致死罪
生命に対する保護の加重6―交通犯罪
生命に対する保護の加重7―公共危険罪
正当化される生命侵害1―安楽死・尊厳死
正当化される生命侵害2―正当防衛・緊急避難
正当化される生命侵害3―死刑の実際
正当化される生命侵害4―死刑制度の存廃論
著者等紹介
和田俊憲[ワダトシノリ]
1975年東京都に生まれる。1998年東京大学法学部卒業。1998年東京大学助手。2001年北海道大学助教授。2006年慶應義塾大学助教授。2013年慶應義塾大学教授。現在、東京大学教授。専攻、刑法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
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印象に残ったのは、生命の始めと終わりが法律的に確定せず、状況に応じて判断するしかないこと。また刑法は被害者の感情に拠るのではなく、犯罪者の内面倫理に拠るということ。例えば(被害者に物品が戻る)窃盗罪が(戻らない)器物破損罪より格段に重いのは、利欲犯重罰の原則に拠る…この考え方は理性的にはわかるが、凶悪犯罪のばあい被害者や家族が心的外傷を負うことも多いと聞くので、その感情を考慮しなくても大丈夫なのかと心配になった。ほか、安楽死、尊厳死、正当防衛、死刑など、法律とはいえ完全ではない。倫理と法律の関係は難しい。2025/02/09