出版社内容情報
心理学が抱えている根本的な難しさは,研究対象である「心」を直接見ることも触れることもできないことである。そのため心の作用結果の行動などから,もとにある心を捉える逆分析を行っている。科学的心理学の誕生以来,実験心理学の中心を占める計量心理学を,確率論を前提基盤にすえ,いくつかの身近な心理事象を例に平易に解説。さらに具体的な適応例,応用事例を紹介している。
Ⅰ 計量心理学への導入
1.計量心理学の位置づけ
2.計量心理学への道程
3.心理学的測定法,心理尺度,数の構造
4.確率変数,確率分布
5.正規確率分布モデルの適応
Ⅱ 計量心理学の基礎
6.測定の数理(1) 確率変数と期待値
7.測定の数理(2) 確率変数と独立性
8.測定の構造(1) 真値と誤差
9.測定の構造(2) 信頼性の評価
10.心理計量の現場-テスト臨床
Ⅲ 計量心理学の応用
11.心理モデルのシミュレーション(1)
12.心理モデルのシミュレーション(2)
13.印象の工学
14.主観的確率とベイズの理論
15.不確実性と意思決定