出版社内容情報
動物が見せるさまざまな行動を、その動物が暮らす生態環境との関係において考え、どのように環境に適応し進化してきたかを探った書。行動生態学、動物行動学における研究成果を数多く紹介し、動物の行動と機能は進化の結果・過程として表れていること、それらを支配しているキーワードは「環境への適応=自然淘汰」であることを理解していく。配偶者システム、社会行動、互恵的利他行動と相互扶助などのテーマをもとに、個体としての動物が環境との関係を通してどのように行動するのか、マクロな生物学のおもしろさを伝えている。
1.動物の行動と生態ー研究の目的と歴史
2.自然淘汰と適応ー理論的枠組
3.行動の進化と適応
4.ゲーム理論による行動の分析
5.血縁淘汰と包括適応度
6.協力行動の進化
7.親による子の世話
8.性淘汰と配偶の機会をめぐる競争
9.配偶者選択
10.配偶者防御と雌雄の対立
11.鳥のさえずりの進化をめぐって
12.配偶システム
13.鳥類と哺乳類の配偶システムをめぐって
14.共進化と進化的軍拡競争
15.行動生態学と保全生態学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あなた
1
「ゲーム理論による行動の分析」消化。ゲーム理論というのは、相手が何をするかによってこちらの利益や損失が変動するという状況をどうやって分析するかっていうその数学的手段のことだ。俺は数学はだめだから、言語ゲームにもどろう2009/08/26
未来来
0
動物の行動の研究の内、その行動がどのような機能を果たしているから存在するのかという究極要因を主に研究する、行動生態学について書かれた教科書。単独著者で全体の流れがきちんと繋がっていて読み易いです。解説もわかり易く、蔵書だったら是非下線を引きながら読みたくなりました。動物生態の入門として、この辺の知識を反芻したい人に向いています。まとめの出来がまちまちだったり、最終章の保全生態学が浮いていたり、振り仮名が無かったりする点はちょっと残念。《大学図書館》2009/12/08