出版社内容情報
古来より物語はさまざまな形式、技法で造形化されてきたが、とくに絵巻物語はヴュジュアルなイメージ効果により親しみをました。中世の絵巻や物語絵画を中心に、表現の工夫や享受のあり方、制作の社会的意図などを、華厳縁起絵巻や伴大納言絵巻、信貴山縁起絵巻などの作品に則して考察。様式変遷を辿りつつ、主題の選択意志や物語る仕組み、その社会的機能なども取りあげ、視覚による<物語る力>を考えている。
1.物語と絵画
2.絵巻の主題と形式
3.絵巻の時間と空間
4.風俗表現の意味と機能
5.源氏物語絵巻と美麗の造形
6.和歌と絵画
7.祖師の伝記
8.『往生要集』と地獄の絵画
9.絵解きと物語り絵画
10.戦記文学と絵巻
11.室町時代の絵巻
12.信仰と美術
13.絵巻と風俗
14.小画面から大画面へ
15.詩画軸の世界ー漢詩と絵画