出版社内容情報
20世紀初頭にフッサールによって創始された思想を源にする現象学は、我々自身の経験や生を伝統・権威・慣習・先入観などに囚われずにそのまま見据えること、すなわち「事象そのものへ」を出発点に、20世紀以降の哲学内外の思想を広くかつ深く規定する包括的な運動として多くの影響力を与えてきたが、その本質の理解はきわめて困難である。この運動の基礎となる思索をできるだけわかりやすく解説することを目的に、現象学における主観性と超越論性、知と実践、人間存在と時間性、意味と実在、世界論など15章で構成。
1.現象学の拡がり
2.現象学の理念
3.経験・生と知
4.意味と実在
5.知と実践
6.方法論としての還元と解釈
7.主観性と超越論性
8.人間存在と時間性
9.世界論
10.生活世界論
11.身体性の意味
12.他者・相互主観性の意味
13.倫理的なものの現象学
14.歴史性・社会性の現象学
15.現象学的思考のもつ意義