出版社内容情報
「教育」を学校教育だけに限定せず、歴史の社会に埋め込まれた文化システムの一環ととらえる立場から、日本の教育の歴史を各時代背景と関連させて考察。またアメリカに渡った日系移民の教育や植民地下の教育を考えることで、近代教育は一国内に限ることのできない問題を抱えていることを提示、グローバル化時代の教育が直面する諸課題について考えている。教育を過度に抱え込んでしまう学校が近代に固有の歴史現象であり、学校だけにとらわれない教育のあり方や、生涯にわたる「学習社会」への方向性を提示した書。
1.「文字社会」の成立ー古代・中世から近世へー
2.近世社会における人間形成
3.近世民衆における文字学びの広がり
4.出版文化と教育
5.近世の学びの文化とその思想ー貝原益軒から考えるー
6.民衆教化と教育の諸相ー政治の教化と心学運動ー
7.近代教育の進路をめぐって
8.教育勅語の成立と教育体制の整備
9.大衆化する社会と教育
10.経済恐慌と戦時下の教育
11.移民教育と異文化理解(1)
12.移民教育と異文化理解(2)
13.植民地における教育(1)-<文明化の使命>をめぐるジレンマー
14.植民地における教育(2)ー植民地支配と近代教育ー
15.歴史から教育を考える