出版社内容情報
西洋哲学は自然・神・人間という三つの対象をめぐって展開してきたが、このうち古代哲学は自然、中世哲学は神、そして近世哲学は人間をそれぞれの中心に据えている。本書は近代哲学のうち、とくにデカルトとカントの哲学を取り上げ、彼らの思想・哲学を読み解くことで近代哲学の特徴を吟味、また神中心の中世哲学からの解放を目指した近代哲学の限界、およびその限界を自覚することから始まる現代哲学に対する可能性を考察している。一切を疑うことが出発点のデカルトの哲学を前半で、後半はカントの理論哲学、実践哲学を中心に構成。
1.近代哲学の特徴ー有限と無限のあいだ
2.方法的懐疑ーデカルト(1)
3.「私は思惟する。ゆえに私はある」ーデカルト(2)
4.神と自己ーデカルト(3)
5.世界と自己ーデカルト(4)
6.心身問題とデカルト哲学の意義ーデカルト(5)
7.経験の可能性ーカントの理論哲学(1)
8.理性と経験ーカントの理論哲学(2)
9.存在と経験ーカントの理論哲学(3)
10.道徳の原理ーカントの実践哲学(1)
11.カント倫理学の特徴と問題点ーカントの実践哲学(2)
12.自然と自由の統一ー『判断力批判』(1)
13.美の分析論ー『判断力批判』(2)
14.美・芸術・道徳ー『判断力批判』(3)
15.近代哲学の射程と反省的判断力
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