出版社内容情報
20世紀後半に出現した「社会史」という概念は,従来の歴史学の捉え方や歴史へのアプローチ方法に大きな影響を与えた。歴史は現在からの問いかけによって初めてその姿を現すものだが,何をどのような角度から問い,いかなる方法・史資料を用いて,どう叙述すべきなのだろうか。本書は社会史の提唱する問題提起に基づき,さまざまなトピックスを例にあげて,歴史を問うことの意味を考察している。「時間の認識と時代区分」「からだと病と身体感覚」「生と死にむき合う心」「人と人とを結ぶもの」「歴史人口学が拓いた地平」などの章で構成。
1.社会史という問題提起
2.証拠としての史料・資料
3.歴史の舞台としての環境
4.時間の認識と時代区分
5.地域からの視線
6.グローバルな歴史の捉え方
7.歴史の重層する都市
8.技術と社会
9.からだと病いと身体感覚
10.「生と死」に向き合うこころ
11.歴史人口学が拓いた地平
12.比較というまなざし
13.人と人とを結ぶもの
14.政治と文化の再考
15.歴史と記憶または歴史と現在