けんちゃん

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けんちゃん

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594101794
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

障害を抱える青年けんちゃん、18歳。
けんちゃんと出会って、みんな変わった――。

特別支援学校高等部に通うダウン症のけんちゃん(18歳)。言葉をスムーズに発することができず、不可解な言動も多い。癇癪を起しては「気持ちを落ち着かせる部屋」に閉じこもる彼に、どの職員も手を焼いている。そんな彼と出会った人々――特別支援学校の寄宿舎で臨時職員として働く多田野唯子、校内イベントを取材する地方紙記者・水上悠介、学校の生徒たちが立ち寄るコンビニの店員・七尾光、同じ支援学校に通うことになった女子生徒・若山葉月――それぞれの視点でけんちゃんとの交流を描いた連作小説です(全5編)。

著者こだまは、かつて特別支援学校の臨時職員として三年間働いていた。そこでの経験を下敷きに物語を紡ぎ、けんちゃんという障害のある高校生を魅力的に描く。気づけば読者は、“寄り添う”ともまた違う、“あたらしい世界”にいる。
『夫のちんぽが入らない』で衝撃デビューを果たした著者渾身、9年ぶりの初創作小説!

【第一章】けんちゃんと多田野唯子
「トングも自立する時代になったようなので私も仕事を見つけて家を出ます」
――特別支援学校の寄宿舎で働く臨時職員・多田野唯子

【第二章】けんちゃんと水上悠介
「あの子は僕の左手の指が一本足りないことにいつから気付いていたのだろう」
――校内イベントを取材する地方紙記者・水上悠介

【第三章】けんちゃんと七尾光
「助けてやってますみたいな態度で接するの気持ち悪いじゃないですか」
――生徒たちが立ち寄るコンビニの店員・七尾光

【第四章】けんちゃんと若山葉月
「『こっち側』に居ながら、『私はここの人たちとは違う』と足掻いている」
――特別支援学校に通うことになった女子生徒・若山葉月

【第五章】けんちゃんは光の中で
「ぼ、ぼかぁ、プ、プリンを作ってるときに、こ、こっそり泣くのさ」


【目次】

内容説明

人間純度100パーセント小説。人は障害(できないこと)でつながってゆく。障害を抱える青年けんちゃん。かかわった人々は“新しい世界”を知る。

著者等紹介

こだま[コダマ]
作家。私小説『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)でデビュー。同作はNetflix・FODでドラマ化されるなど大きな反響を呼んだ。また、エッセイ集『ここは、おしまいの地』(太田出版)は第34回講談社エッセイ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

130
けんちゃん・・18歳頑張ってきたのだろうな。家族も大変だっただろう。まずそんなことを思った。現実世界は日々が厳しくて、余裕がないとその視線は弱者を排する方向に傾くよね。所謂「普通」に追い立てられて、言い訳ばかりでどこを向いてたんだろ?あの頃って思い出した。きれいごとじゃない。だけど、人間純度100パーセントのけんちゃんに巻き込まれ、関わる周りの純度も上がる本作。ドロドロ・濁り切った私の心も少しは濁りが沈殿し、ちっとは澄んだ気持ちになるってもんで・・あぁ、けんちゃんのこれからも見たいよ。    お薦めです。2026/04/24

mike

84
「おとちん」等のエッセイの著者こだまさん初の小説。やっぱり私はこの人の文章が好き。舞台は支援学校寄宿舎。主人公けんちゃんは、雪だるまのような体に赤い服を身に着けたペプシをこよなく愛する高校3年生。自分の世界でいつも正直に真剣に生きている。予測不能な突飛な行動をするかと思ったら、時に詩人のような言葉を口にするけんちゃんに、周りの人は張りつめた気持ちがふっと楽になる。障碍者の姿、当人の思い、社会の在り方をこだまさんは静かに優しく独特のユーモアに満ちた表現で描いていく。肩肘張らずに読める秀作。2026/04/15

シャコタンブルー

60
「さ、寒いと、かっ悲しくなるんだ」けんちゃんの素直な言葉が哲学のように心に沁みてくる。けんちゃんのイメージが必然的に山下清画伯と重なる。好きなものに対する純粋な好奇心と飽くなき行動力がそう思わせる。自由な発想と奇抜な行いで騒動を起こすが、それさえも笑顔溢れる魅力に変えてしまう。憎めない愛されキャラは持って生まれたものかも。「こうあるべき」という固定観念が「こうしてもいいだろう」という新しい発想の転換に繋がる。はしゃぐことを恥ずかしく思ったり忘れてしまった大人が楽しむことを教えられた素敵な話だった。2026/03/20

sayuri🍀

40
なんて温かい作品なのだろう。読み始めてすぐ、けんちゃんの魅力に心をつかまれた。農業科三年、18歳。自身を「けんちゃん」と呼ぶ佐々木研くんはダウン症で、特別支援学校の寄宿舎で暮らしている。予測不能な言動に振り回される場面もあるが、その純粋さは愛おしく、ふとこぼれる哲学的な言葉に息をのむ。彼と出会った人々が彼を通して少しずつ変化していく化学反応も良い。デビュー作『夫のちんぽが入らない』、続くエッセイも良かったが、初の創作小説となる本作も素敵な作品だった。救い、救われながら生きる人々の姿が胸に沁みる温かな一冊。2026/04/01

二戸・カルピンチョ

32
けんちゃんは知的障害をもった高校生男子で、パワフル。パワフルというのは力が強いとか乱暴ということではなく、思ったことに真っ直ぐに進むということで、そのエネルギーはふっと消えてしまったり時には持久力を持つこともある。けんちゃんは小説の中の人だけど、嘘の作り物ではない。けんちゃんを軸に複数の主人公のお話が進むのでけんちゃんは主人公ではない。そのせいか、どの主人公の語りも「ああ、こだまさんだな」と感じた。こだまさんの本、初めて読んだのだけども。だから余計なことを言えば、三人称の小説を読んでみたいなぁ。2026/01/24

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