出版社内容情報
本書は、社会の仕組みが機能不全に陥った現代アメリカにおいて、過去への回帰を訴えるトランプと技術による未来創造を目指すイーロン・マスクという対照的な「語り手」の台頭と、その共闘の崩壊を分析している。ニューソート思想に端を発する「自己を信じる」倫理が社会に浸透し、「語れる人だけが正しい」社会構造が形成される中で、語れない、語られない人々の存在が不可視化され、その鬱積した怒りが2025年のロサンゼルス暴動として爆発する過程を描き、アメリカ社会が直面する倫理的空白と共通目的の喪失という根本的な課題を浮き彫りにしている
序章 なぜトランプとイーロンなのか?
第1章 ドナルド・トランプとノスタルジアの政治スローガン
第2章 イーロン・マスクが象徴する未来志向の幻想と限界
第3章 社会の仕組みの外にいる男たち
第4章 宗教からアメリカらしい民主主義への変化
第5章 自由という言葉が冷たく響く場所
第6章 社会の仕組みが倫理に敗北するとき
第7章 見えなくなった人たちと社会の仕組みの外で生まれる動き
第8章 トランプとイーロンが直面するアメリカ
第9章 共闘の崩壊
第10章 爆発する見えない怒り
付録 イスラエルの軍事行動は何をもたらすか
【目次】



