内容説明
内田百〓先生からの一通の手紙、イヴ・モンタンとの再会、藤田嗣治のアパルトマンでの日本食作り、司馬遼太郎との食膳に有吉佐和子からの長電話など、大切な人々との楽しい思い出。カレーを訪ねてインド・スリランカに飛ぶ行動力や特製の「老人食」のリハーサルメニューもあり、心にも胃にもおいしいエッセイ集。
目次
私の丹下左膳
パリのバラ、東京のバラ
『小僧の神様』
気になる本『浮雲』
夏のつぎには秋が来て
縫いぐるみのラドン
レースのショール
ふしぎの国のオギス
ヘチャプリ大王
ちょっと描いてみたくなっちゃった
マリー・アントワネット
薔薇
翡翠
甘茶でカップリ
人間たらし
「アンノー」という人
おいしい人間
タクシー・ドライバー
しあわせな位牌
お姑さん
おかげ人生
死んでたまるか
喫煙マナー
羽ふとん
カメラの中の私自力回復
台湾薬膳旅行
梅原龍三郎と、キャビア
出口入口
眼から芽が出た
白日夢―北京宮廷料理
著者等紹介
高峰秀子[タカミネヒデコ]
大正13(1924)年北海道生まれ。5歳のとき「子役」として映画界にデビュー。その後「二十四の瞳」「浮雲」「名もなく貧しく美しく」など多数の映画に出演。著書に『わたしの渡世日記』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある。平成22(2010)年12月28日、逝去。享年86(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pirokichi
21
昭和の名女優にして名文筆家である著者の随筆集。大河内伝次郎、イヴ・モンタン、梅原龍三郎、内田百閒、有吉佐和子等々、登場する各界の大御所たちが、粋でチャーミングでカッコよくてかわいらしい…人間味あふれるひとりの人間として描かれており、大変おもしろく読んだ。大河内伝次郎さんと正やんの話、有吉佐和子さんの電話の件には思わず涙が。夫・松山善三さんの母親である「お姑さん」についても書かれているが、そういうお姑さんの人柄を信じた著者も素敵な人だ。高峰秀子さんの映画作品は観ていないのでぜひ観たい。大河内伝次郎さんのも。2025/01/03