内容説明
ジョージア州エニグマは、行き止まりの町だ。牢には黒人の大男ウィラリーが囚われ、葬儀屋には彼が惨殺したメリーベルの遺体が安置されている。そんな町の誰もが、ゴスペルシンガーの帰還を待ち望んでいた。町出身の輝ける成功者。美しい容姿と天使の歌声を持つカリスマ。メリーベルの恋人。奇跡を行う者…。その彼が町に帰って来る。黒いキャデラックに乗って。アメリカ南部を舞台に、人の愚かしさと世界の混沌を、魂と臓腑をえぐる危険な筆致で描き出す衝撃の一書、邦訳なる。
著者等紹介
クルーズ,ハリー[クルーズ,ハリー] [Crews,Harry]
作家、エッセイスト。1935年、ジョージア州ベーコン郡の貧しい小作農家に生まれる。終生南部に住み、フロリダ大学で教鞭を取りながら執筆を続けた。フラナリー・オコナーに代表されるサザン・ゴシックの流れを汲みながら、その後のラフ・サウス(グリット・リット)と呼ばれる南部小説ジャンルの確立に多大な影響を与え、一部で熱狂的なファンをもつ。2012年死去
齋藤浩太[サイトウコウタ]
1974年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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路地
31
未舗装道路の土いきれの匂いがしそうな、往年のアメリカ南部を色濃く表現した舞台で繰り広げられる物語に圧倒される。土地柄を強く反映させ、そこに生死、聖と俗がごちゃまぜになった人間のリアルを描く作品は中上健次の作風に似ているように思う。そのカリスマにより神聖化されたゴスペルシンガーの実の姿に自身が耐えきれず自滅していったかのように感じた。あとがきでプレスリーに言及があるので、具体的にイメージするため先に読んでおけばよかった。2026/05/08
Ayako H
7
図書館から。特定はされていないけど時代は少々昔、場所はアメリカジョージア州エニグマ(実在の地名)出てくる人々はどう考えても普通じゃない人ばかり。話はあまりハッピーではなくどんどん暗くなりラストは悲惨なことに。こんなことがホントにあったのかどうかはわからないけどあってもおかしくないかも、と思わせる。気持ちが下向きになるので面白さほどほど。2024/04/21
一柳すず子
3
ゴスペルシンガーは消えそしてまた新しい道化が生まれる。兄さんはフットと一緒に行っちゃったのかな。宗教の皮を被った欲望って怖いな。2024/05/11
とし
2
どう言えばいいのか。ミステリーではないし、歴史小説でもない、ましてやホラーではない。それいでいてなぜか引き込ませる不思議な力がある。 ただし60年代のアメリカ南部の空気感がつかめないとこの小説の全体像や疾走感は理解できないと思うので、ある程度読者を選ぶ本であると思う。2024/10/06
Wadachan
2
最初はなんだかなぁ、最後まで読めるかな?と思ったりしたのですが、後半からラストにかけての勢いに乗せられて読了です(^^)2024/09/03




