太れば世界が終わると思った

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太れば世界が終わると思った

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  • サイズ 46判/ページ数 236p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594088385
  • NDC分類 929.16
  • Cコード C0098

出版社内容情報

<鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争>

17年におよぶ摂食障害と向き合い
自分の心を見つめ直した
韓国人女性の記録

美しい体って、誰が決めるの?

第一章 過食症を患う
虫になる/わたしはもともと、あばらちゃんだったんだから/ダイエットをやめられなかった/はじめての嘔吐/食欲という怪物/悪循環のループ/過食型拒食症/精神科での治療開始

第二章 摂食障害とともにやってくるもの
内向的であり、外省的/生まれつきの敏感さ/統制される生活/自己管理強迫/秩序への執着/痩せた体、もっと痩せた体/うつ病の洞窟のなかで/潔癖症のせいで/もう少しましな自分になりたかっただけ

第三章 美しい体って誰が決めるの
鏡のなかのわたし、写真のなかのわたし/オルセン姉妹とニコール・リッチー/映画やドラマのなかの摂食障害/摂食障害をラッピングするメディア/ヴィーナスとコルセット/「めちゃ痩せ」しなきゃ

第四章 わたしのなかで育つ恨みと痛み
母の最善/父の権威/わたしをダメにしてしまう/そんなに痛くない指/外見コンプレックスに陥る/生きてみたらわかってくること/家族になるための距離

第五章 両極端を経験して、自分なりのバランスを見つける
精神科治療の中断/わたしの話に耳を傾けてくれる人/シドニーに発つ/愚かな関係/失敗の記録/諦めて自由になる/しっかりとしていく生活/悪循環ではないが好循環でもない/新しい世界

【本書より】
もう一度鏡を見た。幼いころに映画で見た鏡のお化けはもういなかったけれど、代わりにほかのものがあった。わたしが決めた美の基準だ。それはわたしが鏡を見るたびにわたしの横に並んで立ち、わたしのことをせせら笑った。「でぶ」「その尻はなんなの」「二の腕の肉はどうするわけ?」「ぶさいく」基準はその時ごとに変わった。(中略)戦争がはじまった。鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争。

内容説明

美しい体って、誰が決めるの?17年におよぶ摂食障害と向き合い、自分の心を見つめ直した韓国人女性の記録。

目次

第1章 過食症を患う(虫になる;わたしはもともと、あばらちゃんだったんだから ほか)
第2章 摂食障害とともにやってくるもの(内向的であり、外省的;生まれつきの敏感さ ほか)
第3章 美しい体って誰が決めるの(鏡のなかのわたし、写真のなかのわたし;オルセン姉妹とニコール・リッチー ほか)
第4章 わたしのなかで育つ恨みと痛み(母の最善;父の権威 ほか)
第5章 両極端を経験して、自分なりのバランスを見つける(精神科治療の中断;わたしの話に耳を傾けてくれる人 ほか)

著者等紹介

キムアンジェラ[キムアンジェラ]
1985年生まれ。徳成女子大学で衣装デザインを専攻し、オーストラリアへの留学を経験。雑誌『Esquire(エスクァイア)』の特集記事や『Woman Sense(ウーマンセンス)』の編集に携わった。一定の審査をクリアした書き手だけが投稿できるサイト「brunch(ブランチ)」に「ルンジ」というペンネームで参加している。17年間、過食症を患う

高原美絵子[タカハラミエコ]
福島県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒。高校生の時に日韓共作ドラマで韓国語に興味をもち、大学で韓国語を学び始める。保険関連の仕事に携わるかたわら、韓国語の文芸翻訳を手がけている

西野明奈[ニシノハルナ]
茨城県生まれ。上智大学短期大学部英語科卒。韓国ドラマの魅力を知り、韓国語の勉強を始める。通信会社に勤務する韓国語の文芸翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽてち

25
なにやらユーモラスなタイトルだが、中身は17年に及ぶ摂食障害と戦う1人の韓国人女性の赤裸々な告白だった。世間一般が認知する“美しさ”と自分のギャップに悩み、戸惑い、痩せるためにダイエットをする。だがリバウンドで太ってしまい、今度は過食症+過吐に……。さらにはうつ病を発症し、想像を絶する苦しみの日々が続く。元凶とされたのは、ここでもまた家族だった。日本と韓国では事情が異なる部分もあるが、共通することも多い。この病気で苦しむ人に、著者の思いが届くことを願う。2021/09/16

真琴

10
摂食障害を患った韓国人女性の17年間に及ぶ記録。「完璧主義は摂食障害の患者の代表的な性格だと言える。彼らは不足する5パーセントを埋めようとすることで摂食障害を発症してしまう」(P230)とあり、なんとなく納得しました。筆者も記していますが、メディアは摂食障害を美化しすぎるところがあると思う。なんというか、アクセサリーのような・・・。この病気に限らずですが、多分、完治はないのだと思う。いかに操っていくかなのかな?単なる闘病記ではないところが良かった。読みやすかったです。 ★★★☆☆2022/03/14

marumo

10
摂食障害の本は読むと息苦しくなるし、ものすごく疲れます。微に入り細に入り何を食べた、何を吐いた、母親がこうだった、父親がこうだった…。一元的な原因ではなく様々な要因が絡み合って発症する病気ですが、本人は元より周囲も疲弊しきってしまう。作者の世代が自分と地続きでオルセン姉妹やヴィクトリアのエンジェルを捉えていることに違和感。私ら「テレビの人」は完全に別物でした。メディアの多様化の功罪を思うのでした。ヘルシーな自己肯定感って大切だなあと感じました。2021/07/20

もけうに

6
前半は物凄く共感できるが、後半は筆者のとっちらかり気味の人生を綴っているだけ。でも、だからこそリアリティーがある。こういう苦労をしたけれど、〇〇のおかげで治りました~と単純に行かないのが摂食障害。彼氏・仕事・勉学のおかげで治る、は虚像。結局自分を支えるのは自分しかいない。韓国社会のことも少しわかり面白い。2022/02/07

よしじ乃輔

3
韓国女性である著者の17年に及ぶ摂食障害の記録。完璧を求める性格は摂食障害になりやすいと聞いた覚えがあるが著者もその傾向はありほうですね。もう一点は、理想の自分と現実のギャップが大きい、と本人が感じている場合。自己愛が強いと著者も語っており、その方向性が違うと大変な事にもなるのだな、と。その思い詰め方が読んでいてこちらも辛くなる。程々の自分で満足していければそれが一番なのかもしれない。2022/01/06

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