扶桑社新書<br> 日本人が知らない「スーホーの白い馬」の真実

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扶桑社新書
日本人が知らない「スーホーの白い馬」の真実

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  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784594087951
  • NDC分類 388.227
  • Cコード C0295

内容説明

社会主義イデオロギーのもとで量産された階級闘争的な「革命物語」はいかにして日本に浸透したのか?モンゴル人が知らない“モンゴルの民話”。

目次

第1章 「スーホの白い馬」が日本に伝わった背景(「スーホの白い馬」とは?;「スーホの白い馬」の原典は何か ほか)
第2章 階級闘争的な中国の創作文学(塞野版「馬頭琴」の原話について;モンゴル国で語られている馬頭琴起源伝説「フフー・ナムジル」 ほか)
第3章 プロパガンダにゆがめられた民族文化(社会主義国家で生き延びるための文学芸術;プロレタリア文学の代表作「アルマスの歌」のあらすじ ほか)
第4章 「スーホの白い馬」が伝えるモンゴル文化(白い馬は単なる家畜ではない;モンゴル人が五種類の家畜を飼育してきた理由 ほか)
第5章 満洲国から中国へ、翻弄され続けるモンゴル民族(「スーホの白い馬」はどこの国の物語なのか;かつての植民地の地理も知らない日本人 ほか)

著者等紹介

ミンガド・ボラグ[ミンガドボラグ] [Minggad Bulag]
1974年、内モンゴル自治区シリンゴル生まれ。1995年、教員養成学校であるシリンゴル盟蒙古師範学校を卒業、教員として働く。1999年に来日。2011年、関西学院大学教育学研究科博士課程後期課程修了。教育学博士。関西学院大学教育学部非常勤講師などを経て、現在はフリーランスライター、翻訳・通訳、馬頭琴奏者として日本各地で活動する傍ら関西を中心に国際理解や多文化共生、外国籍児童・生徒の問題や母語教育に携わっている。2013年、論文「『スーホの白い馬』は本当にモンゴルの民話なのか」(『日本とモンゴル』第126号、2013年)で日本モンゴル協会・第6回村上正二賞を受賞。2017年に著書『「スーホの白い馬」の真実―モンゴル・中国・日本それぞれの姿』(風響社、2016)で第41回日本児童文学学会奨励賞を受賞。ほかに著書や論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みさと

6
子どもの頃から大好きだった絵本『スーホの白い馬』。モンゴルの昔話だとずっと思ってきた。しかし、モンゴルの言い伝えに取材して中国の漢人が編集した物語だった。そういう意味では「中国人の目を通した見たモンゴル」の姿が描かれている物語だったのだ。モンゴル文化を伝える部分がありながらも無理解からくる偏見も描かれている。なぜそうなってしまったのかを追い求めながら、モンゴルの生活は本来どういうものかを伝える。異なる他者の目は、文化と文化をつなぐ橋渡しをするとともに、知らず知らず違うものを見てしまうことを教えてくれる。2021/07/26

Humbaba

5
モンゴルというと、中国よりもよほど遠くに感じる。普段から付き合いがなければそのように感じるのは避けられないし、相手に少しでも伝わるようにと考えると正確性よりもわかりやすさが優先されることもある。そうやって本来の話が正しく伝わらないというのは残念なことであり、また、現地においても必ずしも伝わっておらず変わっていることを見ると、国としての在り方や将来が不安になる。2024/09/01

ikeikeikea

5
モンゴル人がモンゴル民話とされる『スーホの白い馬』の複雑な成立過程を解説した1冊。風響社から出版されたものの新書化。『スーホの白い馬』がモンゴル人の文化とかなり相違がある事がわかっていく展開がモンゴル人の悲哀を感じさせられる。しかし著者は『スーホの白い馬』を教科書から削除しろ等と主張するわけでなくモンゴルの文化と人々が置かれている状況を理解して貰いたいだけなのだ。日本人は元宗主国として内蒙古の住民に国籍を付与する責任があるとまで言い切る著者の言葉は重い。2021/05/30

MUSAN11383594

3
本書は学術書をもとに加筆修正を加えて新書化したものであるらしいが、文章が固く、少し読みづらい。しかし、スーホの白い馬がモンゴル文化を正確に反映したものではなく、文革期に中国のプロパガンダとして作成されたものだという論証はどんどん引き込まれていく力強さがあった。スーホの白い馬をモンゴル文化の考え方も知ることができ、知的好奇心を刺激される一冊だった。2021/06/11

ミノムシlove

2
「人が乗らない馬は足が遅いから簡単に追いつく。弓を引く必要はない。」「暗くなるまで帰ってこないのはおかしい。羊が狼に襲われる。」「馬が羊を守るために狼に立ち向かうことはありえない。」等、馬と近い人達ゆえの言葉が興味深かった。所々食い違いはあれど、決して批判的ではない。殊に赤羽末吉氏は実際当地で過ごされたことがあるため、細かな点で現地の人の生活を再現していると書かれている(“辮髪入れ“とか!)。馬頭琴は30年程前から聴いている位好きで、この本のQRコードで聴けた曲もとても素敵だった。2021/08/08

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