内容説明
ショートショート界の第一人者にして、星新一唯一の弟子である江坂遊が、古今東西の猫にまつわる名作から選びぬいた珠玉の掌編30編+α。星新一、筒井康隆、小松左京、スレッサー、ブラウンといったショートショートの代表的作家から、ヘミングウェイら文豪の名作、さらには有名童話、コミックまで、まさになんでもありの「読む猫だまり」です。
著者等紹介
江坂遊[エサカユウ]
1953年、大阪府生まれ。早稲田大学卒。日本文藝家協会会員、日本SF作家クラブ会員。第2回「星新一ショートショートコンテスト」で「花火」が最優秀作品に選ばれデビュー。星新一に師事し千篇以上の作品を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mii22.
75
【にゃんこまつり2020②】この一冊の本の扉を開くと色々な時代の色々な場所へと小旅行できる。猫ショートショートだからもちろん有名なあのお話も出てくるが、ほとんどは初めて目にするものばかりでとても楽しめた。なかでもサキ、ラヴクラフト、カフカ、ヘミングウェイ作品には読む前から興味津々。とりわけお気に入りになったのはお洒落で可愛らしい岸田今日子「暖炉の前できいた話」。そして最後の梅崎春生「猫の話」は高校の国語の教科書で読んで以来ずっと深く印象に残っていたお話。残酷な中に猫への情愛と思慕が切ないぐらい感じられる。2020/02/19
sin
67
帯に「3分で読める猫、集めました。」と謳ってあるが、正直一話読むのに3分はかからない。なのだが読み終わるのに結構な時間を要したのは、全部で32編主旨傾向が異なる短い物語が次から次と現れてくるので続けて読み進めるのに倦み疲れてしまったからだ。いや、面白く無い訳がない。いままで読む機会のなかった有名な話から漫画作品まで、可笑しいのから愛らしいの怖いのまで、たくさんの猫の物語を堪能することが出来る猫へと続く扉である。2022/02/21
HMax
38
まさしく古今東西の猫にまつわる掌編。日本15編、海外15編。敢えて順位をつけると①ネコ(星新一):やはり猫が地球の支配者。②注文の多い料理店(宮沢賢治):何度読んでも面白い。③中毒(小松左京):残念ながら空猫も絶滅してしまいました。番外:ねこ先生または長靴をはいた猫:最後にあったもうひとつの教訓が良い「衣装や顔かたちや若さが恋心を吹き込むのに、無関係な手段ではない証拠。」2024/09/15
コジ
26
★★★★☆ 猫が登場するショート・ショートのアンソロジー。30を超える収録作品数でボリューム満点。まさに読む猫溜まり。読み始めて数行で宇宙の旅に誘ってくれるアーサー・C・クラークの「幽霊宇宙服」。宮沢賢治は「猫の事務所」ではなく「注文の多い料理店」。ショート・ショートといえばの星新一はずばり「ネコ」など、大御所作家の名前もちらほらあって猫好きならずとも十分楽しめるラインナップ。様々な猫たちをたっぷり堪能させていただきました。2021/08/23
くさてる
26
タイトル通り、猫テーマのアンソロジー。既読の物も多かったけれど、つまりはそれだけ名作揃いということで、楽しめました。初読で良かったのは内海隆一郎「子猫」佐久やえ「福光寺の猫」クラーク「幽霊宇宙船」など。既読の物では、星新一「ネコ」岸田今日子「暖炉の前で聞いた話」ヘミングウェイ「雨のなかの猫」などがやはり好きです。2020/08/01