扶桑社新書<br> 禁足地巡礼

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扶桑社新書
禁足地巡礼

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784594080839
  • NDC分類 291.09
  • Cコード C0295

出版社内容情報

大島半島ニソの杜、氣比神宮の社叢、沖縄の御嶽、八幡の藪知らず、将門の首塚、対馬のオソロシドコロetc.

人が足を踏み入れてはならない場所が、日本各地には点在している。

奈良県大神神社の三輪山や沖縄の御嶽(ウタキ)のように、主にご神体とされている山や祈祷所のような神聖な場所であることが多いが、千葉県市川市の「八幡の藪知らず」のように、謂われがはっきりとわからなくても未だに「入ったら出てこられない」といわれている怪談要素の強いところもある。

古代信仰が残っている長崎県の対馬にある禁足地は、その名もずばり「オソロシドコロ」。うっかり足を踏み入れたものは、わらじを頭に乗せて「インノコ」(犬の子)と、自分は人間でないと言いながら後ずさって出なければならない、転んだときは片袖をちぎって身代わりに置いていかなければいけないなど、厳格な畏れの地だったという。
また、対馬のお隣、沖之島はいまだに島全体が禁足地で、限られた男性が祭りの日に入ることだけが許されていたが、世界遺産に認定されたことで、禁足が格段に厳しくなってしまった。

男子禁制、女性禁制であった場所が、時代の移り変わりとともに男性も女性も参拝できるようになったり、管理者・後継者がいなくなって消えていったところもあるように、時代とともに禁足地も変わりつつある。
本書であげられたスポットすべてに足を運んだ著者が、誰も体系的に論じたことのない「日本の禁足地」が持つ「恐れ」と「怖れ」と「畏れ」について考察する。

もくじより
第1章 代表的な日本の禁足地
第2章 人の手が入らない「なにもない空間」としての禁足地
第3章 祟る樹木、森神信仰と畏れ
第4章 現代に残された本当の禁足地「天皇陵」
第5章 現代の禁足地「心霊スポット」

著者プロフィール:吉田悠軌
怪談、オカルト研究家。怪談サークル「とうもろこしの会」会長。オカルトスポット探訪マガジン『怪処』編集・発行人。怪談の収集、怪談現場や会期スポット、奇祭など探訪をライフワーク都市、その活動は国内にとどまらない。
『怪談現場 東海道中』(イカロス出版)、『一行怪談(一)(二)』(PHP研究所)、『一行怪談漢字ドリル 小学校1・2年生』(幻冬舎)、『ムー実話怪談「恐」選集』(学研プラス)など著書多数。
TBSの「クレイジージャーニー」の常連でもあり、世界の奇祭や日本の禁足地を紹介している。


吉田 悠軌[ヨシダユウキ]
著・文・その他

内容説明

女人禁制や男子禁制などの禁忌がなくなったところもあれば、さらに厳格になった場所もある。もはや消えてしまいそうな小さな禁足地や管理者がいなくなり謂われがわからなくなった場所など、変わりゆく「禁足地」の現状を綴った貴重な記録。

目次

第1章 代表的な日本の禁足地(代表的な禁足地;「入らず」「語らず」という禁足地の特徴 ほか)
第2章 人の手が入らない「なにもない空間」としての禁足地(禁足地と場所性;なにもない空間、神とつながる沖縄の「御嶽」 ほか)
第3章 祟る樹木、森神信仰と畏れ(土地開発と鎮守の杜;いまだ現役で畏怖される山梨県甲州市の「祟る木」 ほか)
第4章 現代に残された本当の禁足地「天皇陵」(埋葬者が不明でも畏れ敬い祀った「赤塚」;善行を施したのに人々に忌避された「善右衛門の首塚」 ほか)
第5章 現代の禁足地「心霊スポット」(足を踏み入れてはならないと恐怖される場所=「心霊スポット」;境界をまたいだ向こう側の世界=「異界」 ほか)

著者等紹介

吉田悠軌[ヨシダユウキ]
1980年、東京都生まれ。怪談、オカルト研究家。怪談サークル「とうもろこしの会」会長。オカルトスポット探訪マガジン『怪処』編集・発行人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

71
各地には人が足を踏み入れるのを禁じられた地がある。本書は日本各地に残るそのような禁足地を紹介した一冊。天皇陵は特別として、沖縄の御嶽から沖ノ島まで、正直あらゆる物が俗化した現代日本にもこれほど信仰という面から足を踏み入れるのを禁じられた地が残っているとは思いもよらなかった。それ以外にも乱歩の小説で知った八幡の藪知らずの現状や、各地に残る樹木信仰、何より現代社会に新しく生まれた禁足地犬鳴峠と杉沢村に見知らぬ駅がえらく面白い。現代社会が「畏れ」をどう捉えているかの鱗片が垣間見れる非常に面白い一冊であった。2019/03/27

ヒデキ

45
「禁足地」という場所がなんでできてきたのかの考察が面白いです。 宗教的、物理的、オカルト的などなど、 各地にある禁足地がを描かれています。 個人的には、先日、読んだ「土葬の村」に関連して、 勝手の風葬や、土葬をしていた場所なんでは、無いかな? と思って読んでいました。2021/12/31

くさてる

42
日本各地にある「足を踏み入れてはならない場所」についてのレポ。それだけだとオカルト的だったり体当たりレポみたなものかと思ってしまうけれど、実際は、とても丁寧で事実関係に基づいた落ち着いた内容でした。だからこそ、それでも現在にこういう土地が残っている意味が深くて、すこし怖い気にもなります。派手さはないけど、読み応えあります。2019/03/10

たまきら

34
禁足地。興味深いテーマだった。沖永良部島の神官一族だった祖父。戦後本土へ渡った一族が何世紀にもわたって住んだ屋敷は、自分が訪れたときはジャングルに飲み込まれていた。なんでも屋敷に住んだ他の人々はみな精神に異常をきたしたとか…。この本のアプローチは、禁足を宗教的というよりは現代社会の心理との兼ね合いで考察していくところが面白かったかな。神田明神さまといい、ご縁ある場所が多く出てきて面白かった。2019/05/22

mariann

30
禁足地…オカルト好きなら目にするだけでそわそわするワード。これを怪奇現象ではなく民俗学的に解説してくれている良作。奈良の三輪山。本当に今もこんな厳しい入山ルールがあるのだろうか。山自体が御神体…とても日本的な考え方で、残存していることに感謝したい。天皇陵古墳に対する宮内庁の認識も興味深い。本物が眠っていることは確定なのに認定されていないから自由に出入りできる天皇陵とか。最後にきさらぎ駅の考察。著者が調べた派生駅名と場所がずらり。恐れ入りました。2023/05/17

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