出版社内容情報
特定のメディアの偏りばかりが目につくとしたら、
それは観察する者が
何かの立場に強くコミットメントしているためだーー
人と人とのコミュニケーションに、偏りが存在しない状態はない。この世に「真実そのもの」が仮にあったとしても、それをまっさらに伝えることのできる「なかだち」は存在しない。文字であろうが映像であろうが音であろうが、伝えられる情報量は有限だ。
ニュースは出来事を要約して伝えなければならいし、仮に無限の伝達が技術的に可能であろうと、人の時間は有限である。すべての情報は断片的で、切り取られたものだ。何かの断片的で編集された情報を手にしたうえで、「真実を知った」と思い込むのは誤っている。
〈本書まえがきより〉
評論家・ラジオパーソナリティとして活躍する著者による、分断の時代のメディア論。
本書では、安保法制や軽減税率など過去の新聞記事を引用しながら、あるいは独自データを用いながら、各メディアの「クセ」が示される。
それを見て、「やれやれ」「やっぱり」と溜飲を下げるかもしれない。が、本書の目的は、むしろ、そうした“ふるまい”へのリハビリにある。
「バイアスのないメディアなど存在しない」という前提に立ち、その「クセ」を詳らかにすることで、分断する社会で溢れる情報とつきあう具体的スキルを提示する一冊だ。
内容説明
読売の本音、朝日の法則、産経の戦略―新聞にもネットニュースにも“真実”はない。
目次
第1部 新聞はいかにして「偏る」のか(新聞の個性と偏り;メディアは「誰」を選ぶのか?;メディアが先か、思想が先か)
第2部 メディアと政治の距離(権力とメディアの距離感;沈黙する政治家と調査報道;メディアの語りの影響力;陰謀論に加担しないために)
第3部 これからのメディア(軽減税率報道が遺した教訓;書評ジャーナリズムの可能性;社会運動とメディア)
著者等紹介
荻上チキ[オギウエチキ]
1981年、兵庫県生まれ。評論家、ニュースサイト「シノドス」編集長。また、ラジオ番組『荻上チキ・Session‐22』(TBSラジオ)メインパーソナリティ。同番組にて2015年度、2016年度とギャラクシー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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