扶桑社新書<br> 日本人が知らない満洲国の真実―封印された歴史と日本の貢献

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日本人が知らない満洲国の真実―封印された歴史と日本の貢献

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  • サイズ 新書判/ページ数 366p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784594078409
  • NDC分類 222.5
  • Cコード C0295

出版社内容情報

気鋭の歴史学者が世界史の視点で
日本人の国家観、民族観、アジア観を問い直したロングセラー、
待望の新書化!!
日清戦争が始まった1894年(明治27年)から、1956年の最後の引き揚げ船舞鶴入港までを取り上げ、日本と大陸の歴史を再検証。とりわけ、監修者である歴史学者・岡田英弘氏が常に示してきたとおり、「歴史とは個人や国家の行動が道徳的に正義だったか、罪悪だったかを判断する場ではなく、因果関係を明らかにすること」との立場から、本書では世界史の視点で日本人の国家観、民族観、アジア観を問い直します。
 従来の満洲研究では東京と現地の関係、軍人と政治家の関係、満洲で活躍した人が戦後、日本に帰りどれほど影響を与えたか……など、ひたすら日本中心で満洲国をみてきました。しかし実際の満洲は朝鮮やモンゴルはもちろん、三国干渉のロシア、フランス、ドイツ、アヘン戦争を仕掛けたイギリス、門戸開放を迫ったアメリカ……と国際関係のなかで捉え、世界史のなかで読み解くべき、と著者は説きます。
※本書はビジネス社刊『真実の満洲史』を新書化にあたり改題、加筆修正したものです。


◆はじめに(少し長い前書き)……私たちは、なぜ歴史を学ぶのか―
マルクス主義の進歩史観は空想
人間はお金だけでは行動しない
結果がすべての中国の歴史観
「春秋の筆法」の本当の意味
日本人の歴史感覚
劣化は明治以降の教育のせい
日本の自虐史観はロシア革命が起点
なぜ歴史を学ぶのか
日本人と中国人の歴史観のギャップ
真実の朝鮮史
台湾と朝鮮と満洲は日本史として考えるべき
日本側から見た満洲
陰謀はあったのか

◆序章 満洲とは何か
満洲関連の本
満洲とは?
王朝の領土は変化する
満洲にロシアが南下
満洲の民族
満洲の気候
満洲人とは?
満洲人(満族)の人口
満洲人が漢化する
清朝は「中華帝国」?
清朝の権力構造の変化
西太后は漢人ではない
秘密警察の起源
満漢全席の「満」と「漢」の違い
漢字の使用
清朝時代のモンゴル・ムスリム・チべット
モンゴルに置かれた清朝の役所

第一章 日清戦争から中華民国建国まで

満洲の激動の歴史は日清戦争から始まる
西太后が有名な理由
旅順虐殺の真相
三国干渉からの流れ
万里の長城
義和団の乱
チャイナドレスとキョンシーの長杉
ロシアの満洲支配と日英同盟
日露戦争での勝利
ポーツマス条約
満鉄誕生
関東軍と満洲の通貨
日本の満洲開発
日露戦争が世界に及ぼした影響に日本人は無自覚
日露戦争後のロシアの満洲政策
満鉄調査部の地域研究能力
百日変法と康有為の評価
その後の皇帝の境遇
李鴻章は日本が嫌いでロシアについた
日露両国の勢力圏となった満洲
ラストエンペラーこと溥儀が皇帝に就いた経緯
なぜ孫文の起義は十回も失敗したのか? 1
孫文がいなくなった途端に革命が成功した理由

第2章 中華民国建国後、満洲国建国まで
中華民国建国後の中国の実情
袁世凱という人物の実像
孫文を支持していた日本の右翼は、漢人と満洲人の区別がついていたのか?
清朝崩壊後の溥儀
中国利権に群がった列強
辛亥革命期
軍閥混乱期
孫文も軍閥の一人
清朝崩壊後のモンゴル、ムスリム、チベットの動き
二十一カ条要求
シベリア出兵
チンギス・ハーンは源義経!?
シベリア出兵の功罪
北満洲の農民は二十世紀に南からやってきた
満洲国建国前の日本人
ロシア革命がすべての元凶
孫文の共産化と反日への転換
ベルサイユ条約
英米両国が肩を並べたワシントン会議の影響
ソ連の工作と孫文
第一次世界大戦の影響
張作霖とは何者か?
袁世凱死後の張作霖
張作霖爆殺事件
張学良の人となり
張学良が行なった易幟の実態
満洲事変前の排日運動と日中の懸案
満洲事変の原因
リットン調査団
リットン報告書はどれくらい正確か?
日本の国際連盟脱退
なぜ世界の三分の一の国が満洲国を承認したのか?

第3章 満洲国建国、崩壊、そしてその後
満洲国建国宣言
熱河作戦をやらなければならなかった理由
日満議定書
新京の建設
五族協和という理念
満洲国の公用語
満洲帝国が正式な国号
植民地とは?
反資本主義、反帝国主義を掲げた満洲国国務院
関東軍の政治関与の実態
満洲国の経済建設
産業開発五カ年計画
満鉄と満拓
“日本人”の入植
漢人の入植
満洲国での溥儀
川島芳子のアイデンティティとは?
満洲国における「日系」「満系」の差別
大連・旅順だけ特別扱いなのはなぜ?
傀儡国家か? 独立国か?
満映と甘粕正彦
ノモンハン事件は両者の敗北
ソ連の民族支配構造
コミンテルンという組織
モンゴルから見たノモンハンの地理的な意味
関特演はスターリンへの牽制
ソ連もアメリカも日本が怖かった
満洲開発
戦時中の満洲
日本の戦争に巻き込まれた満洲
ソ連に対する日本軍の抵抗
日本はソ連を仲介とした和平を本気で信じていたのか?
シベリア抑留ではなく共産圏抑留
ソ連はなぜ日本人抑留者を返したのか?
アメリカが満洲と北朝鮮をソ連に渡した経緯
国共内戦の始まり
ソ連の満洲侵攻と毛沢東
別人説がつきまとう金日成
内モンゴル独立運動をした徳王の運命
国共内戦の実際
高崗とは何者か?
スターリンと毛沢東
歴史に学ぶべき日本の未来
満洲国が続いていたら
なぜ「偽満洲国」と言われるのか?
コストと帝国主義
負い目と責任




宮脇 淳子[ミヤワキジュンコ]
著・文・その他

岡田 英弘[オカダヒデヒロ]
監修

内容説明

近代中国をつくったのは日本である!日清洗争勃発から、最後の引き揚げ船、舞鶴入港まで…日本と大陸の歴史を再検証。気鋭の歴史学者が世界史の視点で満洲国を読み解く。

目次

はじめに 私たちは、なぜ歴史を学ぶのか(マルクス主義の進歩史観は空想;人間はお金だけでは行動しない ほか)
序章 満洲とは何か(満洲関連の本;満洲とは? ほか)
第1章 日清戦争から中華民国建国まで(満洲の激動の歴史は日清戦争から始まる;西太后が有名な理由 ほか)
第2章 中華民国建国後、満洲国建国まで(中華民国建国後の中国の実情;袁世凱という人物の実像 ほか)
第3章 満洲国建国、崩壊、そしてその後(満洲国建国宣言;熱河作戦をやらなければならなかった理由 ほか)

著者等紹介

宮脇淳子[ミヤワキジュンコ]
1952年、和歌山県生まれ。京都大学文学部卒、大阪大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専攻は東洋史。東京外国語大学・常磐大学・国士舘大学・東京大学などの非常勤講師を歴任。ケーブルテレビやインターネット動画で、モンゴル史、中国史、韓国史、日本近現代史等の講義をしている

岡田英弘[オカダヒデヒロ]
1931年‐2017年、東京生まれ。東京外語大学名誉教授。歴史学者。専攻は中国史、モンゴル史、満洲史、日本古代史と幅広く、独自の「世界史」を打ち立てる。1953年、東京大学文学部東洋史学科卒業。1957年『満文老〓』の共同研究により、史上最年少の26歳で日本学士院賞を受賞。アメリカ、西ドイツに留学後、ワシントン大学客員教授、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

44
著者は、「日本人は歴史を知らなさすぎます。」と度々記す。本書では、満州の風土と近代以前から日清戦争、中華民国建国、満州国建設を経てその後までを扱う中で、満州国が戦前の日本において、いわば国家の生命線となるまでを、日本の進出、現地の満人と蒙古人、漢族の関係や清朝との関わり等、様々な視点から記している。著者は、支那事変と大東亜戦争がなければ、満州国は多民族が共存する立派な国になっていたはずと言う。外からの雑音に囚われることなく、彼の国の興亡の歴史を自ら受け止めて、将来に生かしていくことが肝要ではないかと思う。2022/03/18

しゅわっち

16
Kindle unlimited。著者に感謝いたします。。中国、朝鮮が不思議に感じ理解できないと思う方は読むのをおすすめします。この本を読んで、日本人の歴史、文化との違いで、そうなるのがよくわかりました。当時も日本は、戦略などなく、行き当たりの様子は、現代と同じに感じました。官僚もマスコミも今と変わらないように感じました。中国は歴史のある国と思っていましたが、他の民族の支配が長く続き、文化や、国という意識が希薄なのがよくわかりました。現代、中国は、満州人と漢人を混ぜて、虚構の歴史を築いてると思いました。2023/11/22

fseigojp

13
ヘイト・スピーチ本かと思ったら意外と硬派だった 師匠は岡田英弘2019/09/16

shamrock

10
岡田・宮脇史観で語られる満洲史。ここには真実があるのだろう。新書だからしょうがないのかもしれないが、もうちょい読みごたえがほしかった。2020/09/24

スパイク

9
前書と序章で90頁という面白い構成。/さておき、一般向けに話し口調で書いたのは分かるけど、主観で断定している箇所が多々あり、これでは人を納得させることはできない。いじめた、がんばった、立派だった、だったと思います、そういうフワフワした表現を多用すると、事実も胡散臭くなってしまうだけだ。そういう喋り方をする人なのは知っていたけど、活字でこれはない。期待していただけに非常に残念。題名に「最新」「真実」って銘打つ本に名著なしだな。/それでも戦後の話は日本が登場しないだけあって読める。2019/11/30

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