ばっちゃん―子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ

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ばっちゃん―子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594078195
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0095

内容説明

行き場のない子どもたちのため、40年にわたって自宅を開放し、毎日無償で手料理を振る舞い続けた「ばっちゃん」こと中本忠子さん(83歳)。ひとはばっちゃんを「広島のマザー・テレサ」と呼ぶ。「大人は信用できない」と口をそろえる子どもたちが、なぜ「ばっちゃんだけは信用できる」のか。365日24時間、子どもたちを受け止め続ける「ばっちゃん」。広島に赴任してから、ばっちゃんを8年間追い続けたNHKディレクターが、子どもたちの置かれた状況、ばっちゃんの子どもたちへの接し方、その言葉や行動をつまびらかに記す。

目次

第1章 いろんな“はじまり”(取材のはじまり;はじめての保護観察所 ほか)
第2章 子どもたちが生きている世界(威嚇する子どもたち;子どもの本音 ほか)
第3章 子どもに届く“声”とは(大人嫌い;「善」「悪」の階調(グラデーション) ほか)
対談 なぜ続けてこられたのか?―伊集院要(NHKディレクター)×ばっちゃん(中本忠子さん)
第4章 罪を犯した者の居場所(唯一気にしている数字;「排除する社会」の危険 ほか)

著者等紹介

伊集院要[イジュウインヨウ]
1978年、宮崎県小林市生まれ。新潟大学農学部卒業後、番組制作会社、フリーを経て、2009年NHKに中途入局。広島放送局放送部、制作局文化・福祉番組部を経て、現在、仙台放送局放送部デスク。福祉ネットワーク「心を映す連続画」でヤングクリエーター賞、ふるさと発スペシャル「ばっちゃん引退」で放送文化基金賞、ゆふいん文化・記録映画祭松川賞受賞。その他、ハートネットTV、NHKスペシャル「見えず聞こえずとも」などを制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

106
「ばっちゃん」こと中本忠子さん。今年受賞された吉川英治賞の式典に私も行っていた関係でお見かけした。賞金を子ども達のために使うため、きっと賞を受けたのだろう。帝国ホテルでのブュッフェパーティ、受賞者のみ座れる円卓で、ブスッと高級料理を召し上がっていらした。この本を読んで納得。団地の自宅を腹を空かせた少年たちに出入りを自由にし、自腹であったかいご飯を食べさせてきた。フードファイトの番組を見て泣く子ら。ばっちゃんはテレビ局に抗議の電話をかけたという。パーティのご馳走を前に、あの子らのことを考えていたに違いない。2017/11/24

ぶんこ

50
食べることに困っている子ども達の親は生活保護家庭が多く、年金生活のばっちゃんより高収入です。そのお金が覚醒剤、お酒、パチンコに消えていく。子どもは親を選べない。「生まれた家庭を変えることはできなくても、生き方は変えられる」とばっちゃんはせっせと料理をこしらえ、子ども目線で話を聞き、お喋りをして、居場所を提供しています。ちょうどこの本の前に、県立高校での落ちこぼれ生徒をキチンとした職に就かせて、税金を払える側の大人にと頑張っている教師たちにワクワクさせていただいたばかりです。ばっちゃんの存在にもワクワク。2018/09/11

モルテン

17
広島市で、非行少年たちを自宅にあげ、料理をふるまう「ばっちゃん」こと中本さん。30年超その活動を続けてきたばっちゃんを8年にわたって取材し続けた作者のルポ。/広島市基町という(おそらく)事件数の多い地域で、配偶者を早くに亡くした(つまり理解を求める家族がいない)方で、加えて少年たちへの想いにあふれた方だからこそできた偉業だと思う。一方で、おそらく同じくらい少年たちを想い、身銭を切って活動されている保護司さんは全国にたくさんおられる。その方々のことを考えながら読了。少年への接し方について背筋を伸ばした。2017/11/19

すぱちゃん

16
広島には通称「ばっちゃん」と呼ばれる中本さんというひとりのおばあちゃんがいる。人々は「広島のマザーテレサ」と呼ぶ。ばっちゃんは行き場のない子供たちのために40年にわたって自宅を解放し、手料理を振る舞い続けた。不良少年少女たちに「お腹すいとるん?」と。子供たちは「ばっちゃんだけは信用できる」、「ばっちゃんを裏切る訳にはいかんと」。このひとりのおばあちゃんが何故子供たちに信頼され、子供たちの社会復帰に貢献できるのか?子供たちは大人の何処が信用できないのか。何度も涙しながら読んだ。今、社会は何をすべきか考えよう2019/11/18

なかちゅう

11
図書館返却前に再読。ところどころメモを取りながら読み進める。ラストの方の「排除する社会の危険」の章が印象に残った。感覚と感情で物事をとらえることを否定はしないけれど、そこには落とし穴がある。生半可な知識での理論武装は時として犯罪行為を助長する。きちんと深く「知る」必要性をつくづく感じた。人間という種が選んだ「社会性」という「生存戦略」についてと、ノルウェーの刑務政策についてもっと詳しく知りたくなった2018/01/05

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