内容説明
カメは甲羅をパカッと開けて手術する!ノミとトンカチが診察室に!?パン屋さんのトングでカメを固定!?2cmのアマガエルに開腹手術!?来院する動物はアリクイ、ペンギン、カワウソ、カンガルー、ヘビ、カエルなど100種類以上!熱血獣医さんの仰天奮闘記!診察代を踏み倒されたり、安易に安楽死を求める飼い主さんに悔し涙を流したり…ペット医療最前線と獣医さんの本音がわかる。
目次
毎日が未知との闘い、「珍獣」の診療
動物の診療は科学捜査に通ずる
イグアナたちの卵詰まりと不妊手術
命を「飼う」ということ
カメの手術方法と動物の結石
注意1秒、ケガ一生。多くは飼い主の不注意による
なぜ、かくも食べられないものを飲み込むのか
トカゲ100匹の血液検査をし、血液基準値を作成
バレーボール大の犬の腫瘍から、ヘビの大腸ガンまで
動物病院で使う薬のほとんどは人間用
動物いろいろ、飼い主さんもいろいろ
「楽にしてあげたい」と思うか「助かる」と信じるか
著者等紹介
田向健一[タムカイケンイチ]
獣医師。獣医学博士。愛知県出身。’98年麻布大学獣医学科卒業。幼少時の動物好きが高じて獣医師に。大学時代は探検部に所属しアマゾン、ガラパゴスなどへ。大学卒業後は東京、神奈川の動物病院勤務を経て田園調布動物病院を開業。ペットとして飼育される動物のほとんどを診察対象とする。幅広い知識を生かし一般書、専門書、論文など多数執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小梅
89
私はウズラを飼ってるから、一般的な動物病院では犬猫が主な患者で、鳥を診てくれる病院はとても少ないのは知っていました。エキゾチックアニマルと呼ばれる生き物を飼う時に診てくれる病院がいかに少ないか。自分勝手な飼い主の実情に、獣医さんって大変な仕事だなと思う。安楽死ではなく殺処分…涙が出た。2017/08/17
きっちゃん
19
動物を飼うことは命と真正面から向き合う事だ。著者が獣医師を目指していた頃は、商業動物(牛・鶏・豚)以外は珍獣扱いだったらしい。前例も少ない、手術器具は手作り、ペットは人間と違って意志疎通が出来ない。著者の工夫と慎重さ、そして決断力には頭が下がる。動物好きな人には是非読んで欲しい。2017/11/18
空
13
猫と犬以外は珍獣。獣医さんはもともと家畜を診るための職業。魚や蛇、いろいろな生き物を助けたいから一生懸命知恵を絞って考えてくれるお医者さん。可哀そうだといって傷ついた鳥を拾って、飼えないといい、病院に置き去りにする人もいるとのこと。動物との付き合い方について今一度考えさせられる本だった。2021/04/30
Yoko
11
知らなかった世界。クスッとなったりモヤっとしたり、ヨシタケさんの表紙絵にも導かれたのかな、とても良かったです。今までカブトムシ、カメ、メダカ、小鳥くらいの飼育歴しかないが、このstay homeの世の中、犬でもいれば気が紛れるのかな…なんて思ったりもしてた。ごめんなさい。さまざまな動物たちの人工飼育下ならではの病気、事故、とても考えさせられました。勝手な飼い主さんから愛に溢れた飼い主さんまで、命を負う責任もしっかりと考えさせてくれました。とりあえず積読処理に勤しみ、ペットは妄想にしておきます。2020/05/13
クロ
10
犬猫だけじゃなく、エキゾチックペットも診てくれる獣医師、田向健一先生のエッセイ本。今まで読んだ先生の本の中で、プロフェッショナルな仕事ぶりが一番よくわかる内容となっている。獣医師は常に悩み、悔やみ、そして間違うのだと明かしてくれている。それでも目の前で苦しんでいる動物たちを救いたいという強い思いがあるからこそ、今日も診察室で奮闘しているのだろう。動物病院のリアルがよくわかってとても良かった。2018/07/24