内容説明
みずから囚人となって潜入するという大胆な作戦により、カブリーヨは旧友を救出、脱出に成功する。だが猛烈な追撃を受け、旧友は致命傷を負ってしまった。死の間際、彼は謎めいた言葉を遺す。「奇怪な船、アラル海、テスラ…」。手がかりを追って現地に急行したカブリーヨは、不審な死を遂げた水文学者の手がかりをもとに秘密を握る人物を探すが、そこにはすでに敵の魔手が。鍵を秘めた沈没船を探る彼らを、超技術をめぐる巨大な陰謀が待っていた!巨匠カッスラーが贈る海洋冒険小説の雄編。
著者等紹介
カッスラー,クライブ[カッスラー,クライブ] [Cussler,Clive]
テレビ業界から作家に転身、1973年に架空の組織NUMA(国立海中海洋機関)に所属する特殊任務官ダーク・ピット・シリーズ第1作『海中密輸ルートを探れ』で作家デビュー。以後、同シリーズをはじめ、作品は世界的ベストセラーとなっている。印税をもとに実際にNUMAを設立し、多くの沈没船や行方不明船を発見している
伏見威蕃[フシミイワン]
翻訳家。早稲田大学商学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Richard Thornburg
10
感想:★★★★ 小細工なしでストレートスピーディーに話が進んでいく、なんとも男前な展開(笑) 今回の舞台は東シナ海と、日本のすぐ近くでの話ってのが妙にリアル感あったりして。 武力で尖閣諸島を占領しようとする中国の動きや、これを牽制する日本側の動き。 オレゴン号もそんな不穏な空気の漂う海路を哨戒中に怒涛の展開へと首を突っ込んでいくことに。 成り行きでオレゴン号と米軍とで戦うことになろうとは驚きでした。2017/05/13
ゆーぼー
6
まさか、日中関係がダシにされてしまうとは思ってもいなかっったけれど、こんなステルス艇があったなら、あり得る話だ。 こんな窮極も「羊の皮を被った猛獣」のオレゴン号だからこそ、政治の世界に縛られない、きわどい対応ができるのだ。 政治の世界の対応は、常に鈍麻だからだ。 「結果は、取り敢えず事後報告」になってしまったが、結果オーライの結末だ。 いつもは自作品に自分を端役で登場させるカッスラーだが、この作品ではそれがなかったのは何故(笑)?2015/09/10
かんとり
4
派手な展開でしたねえ… レーダーに捉えられないだけでなく、肉眼ですら見えない! 見えるはステルス艇の航跡だけ!! これにはタマゲました。 ぼろ船スーパーオレゴン号、味方にまで攻撃受けて生き残る! こりゃ相当しぶといシリーズですな^^2019/05/08
コブタ
3
盛りだくさんの展開に感謝‼️ まさか米軍と戦う?とは。カッスラーさん老いてますます盛んですね。2015/11/24
pangea74
2
今回の話は旧友の死が関係しているということで、カブリーヨの私情がストーリーの起点となっていたけど、やはりそこにはカッスラーお得意の海にまつわる歴史的要素と国際的な陰謀が絡めていて、スケールの広がりを見せた内容になっていました。日本と中国が領土問題で揺れる尖閣諸島も登場し、アジアの海洋を巡る日中米の軍事摩擦が取り上げられているので、なんだか「今そこにあるリアルな問題」が見え隠れして、ドキリとさせる。現実でも船体を見えなくさせるステルス艇がどこかで開発されているような気配がします。2018/06/06