最後のイタコ

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最後のイタコ

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594068592
  • NDC分類 387
  • Cコード C0095

内容説明

「イタコ」はあの世とこの世をつなぐ、死者や神仏の代弁者。高齢化が進み、廃れていく「イタコ」の世界にとびこんだ若い女性がいた―。現役かつ最年少のイタコが初めて明かした数奇な半生と知られざる“イタコの世界”。苦悩から解き放たれ、この世を幸せに生きるためのヒント。

目次

第1章 苦悩の日々(憧れの職業は「イタコ」;保育園を“中退”した子ども ほか)
第2章 イタコへの道―決心(平日ヤンキー、週末イタコ;私を導いた師匠・林ませのこと ほか)
第3章 イタコとして生きる(イタコの世界は女の修羅場!?;イタコは、過去を占う ほか)
第4章 死後の世界はあるのか(地蔵菩薩が死者を導く恐山;恐山という癒やしの場所 ほか)
第5章 先祖は私たちを生かしている(仏様の言葉が持つ力;心が疲れている日本人 ほか)

著者等紹介

松田広子[マツダヒロコ]
1972年、青森県八戸市生まれ。南部八戸イタコ六世代。現役のイタコでは最年少のため、「最後のイタコ」と呼ばれる。南部八戸イタコ五世代・林ませ氏に弟子入りし、高校一年生の夏から、イタコ修行を始める。1991年7月、恐山の夏の大祭でイタコとしてデビューを果たした。現在は、八戸市在住の郷土史家・江刺家均氏に師事しながら“オシラ様遊ばせ”など青森に根付く信仰や風習を後世に引き継ぐべく活動中。青森県上北郡野辺地町「まかど温泉ホテル」では、旅行客向けに口寄せを不定期に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ニッポニア

54
興味深い、イタコです。霊を下ろして、言葉を引き出す。信じるか信じないか、はあなた次第ではありますし、私は全く信じませんが、これは一種の芸のようです。師匠について、稽古をつけてもらう、という過程は落語と同様。落語だって、最初は神に捧げていたのかもしれない。善意でやる分にはナンの問題もないので、それが法外な料金をとって、という段階に進むといけません。何しろ根拠や成果が見えない世界、言い値になってしまうことは必至。文化として残すのは、あり、ですね。2023/12/02

つちのこ

37
1980年代には300人はいたといわれるイタコ、現在活動しているのは10人以下という。最後のイタコと呼ばれる著者は、「絶滅危惧種」と言い放つ。高齢化の波に逆らえない以上に、厳しい修行による伝承を受け継ぐ後継者が少ないことがその理由である。イタコや瞽女は盲目の女性がつける仕事として古くからあったが、師匠について学び、技を継承するのは同じである。イタコの源流は古来からのシャーマン信仰にあるのか、その性格は宗教家とは明らかに違う。口寄せにより死者と対峙する神秘を信じるのも信じないも己次第である。本書では⇒2021/12/21

かおりんご

35
読み友さんの感想で知った本。イタコというと、恐山で死者を呼び下ろしてくれるというイメージしかなかったので、斬新でした。カウンセリング的な側面もあるのですね。本当に死者の言葉を伝えているのかは定かではないですが、伝統文化として継承していってほしいと思いました。2019/01/08

けんとまん1007

34
イタコという言葉を知り、それなりのイメージを持っていたが、読んでみて、随分と印象が変わった。やはり、知らないということは、気を付けないといけないということだ。持って生まれたものの重みばかりと思っていたが、修行の大変さと、その意味合いが感じられる。そして、何よりも、そのために努力し続けるご本人の思いの大きさだろう。人は、語ることによって、自分自身で整理しながら生きていく場面も多い。そんな意味合いもあるのだと再認識。科学ではない、生物としての人間だからこその世界だと思う。2016/04/25

Kentaro

33
口寄せをするようになって、一番感じたのは、「みんな大事な方を亡くされていて、仏様に対して、本当にいろんな思いや、大切な思い出があるのだなあ」ということだった。口寄せを聞きながら、生前の家族の姿を思い出して涙する方。愛する人に再び会えたと、泣き崩れる方。何十年も前に死別した親御さんを降ろして、泣きじゃくるお年寄り。イタコの口寄せは、あくまでも身内か、生前に縁の深かった人が対象。その方とご縁のあった霊しか降ろせません。生きている方とつながりのある仏様の橋渡しをするのが、イタコの仕事なのだ。2023/11/01

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