内容説明
全米を揺るがす要人暗殺事件の犯人にされたボブ。FBIから追われる身の彼の頭の中をよぎった事件の犯人像は、ロシア人スナイパーだった。ヴェトナムで、ボブに重傷を負わせ、親友の命を断った手練の狙撃手。一方、独自の捜査を続けるFBI捜査官ニック・メンフィスもボブの無罪を信じていた。そんな彼の前に憧れのボブが姿を現す。ふたりは、自らの名誉と愛する女性を守るため、特殊部隊兵士120人を相手に壮絶な銃撃戦を挑んでいく。“ボブ・リー・スワガー・シリーズ”の開幕!
著者等紹介
ハンター,スティーヴン[ハンター,スティーヴン] [Hunter,Stephen]
1946年ミズーリ州カンザスシティ生まれ。68年ノースウェスタン大学卒業。71年ボルティモアサン紙に入社。書評担当などを経て映画批評担当になる。96年ワシントンポスト紙に転じ、映画批評部門のチーフとなる。2003年ピューリッツアー賞(批評部門)を受賞
染田屋茂[ソメタヤシゲル]
編集者。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
161
それにしても面白い終わり方、胸がすっとするし逆転のやり方が意表を突くものだった。大満足だった。戦い方もカッコよく、悪人は悪人らしく。映画観てしまった後だったので、手にするのを躊躇っていたが杞憂だった。記憶していた映画の筋とはまるで違う話だった。小説の方が断然良かった気がする。狙撃手としての腕前よりも、彼の漢気を堪能する小説。 2022/04/14
Hitoshi Mita
61
いやぁ面白かった!しかし、アメリカの抱える銃社会の暗部も感じられる。物語はやはりケネディ大統領暗殺事件とタブってしまう。最後はなるほど〜と感心する結末。シリーズになってるようなので、続きも読みたいと思う。2015/08/15
k5
60
惚れた女を助けに行くみたいな、ちょいベタすぎる展開に萎えかけていたのですが、最後、法廷劇で締めるあたりはカッコいいなあ、と思いました。またこの法廷劇がよくできてる!これだけで点数爆上がりです。もちろん『今日からヒットマン』は後半が好きな私にとって、途中のスナイパー劇も好きですよ。2023/06/30
future4227
56
なんと恐ろしい小説だろう。これほど読者に不謹慎な思いを抱かせる小説は他に類を見ない。次々と人が狙撃されて死んでいくさまに、爽快感を覚えてしまうのだから。まるでゲームセンターにあるシューティングゲームで群がるゾンビの頭を次々と吹き飛ばしていくような、そんな爽快感。120人の特殊部隊を相手に一発必中で無力化していくボブ・リー・スワガー。普通ならめでたしめでたしで終わるようなクライマックスを経てもまだまだ終わらない。銃撃戦はもちろん、法廷での静かな戦いも見どころ。あっと驚く大逆転劇にスカッとすること間違いなし。2020/10/30
Shintaro
55
やりやがったな、ハンター。なんと上下2巻に納めてきましたね。今月のベスト決定!。これで僕の読書人生も少しだけ豊かになった。何しろグレイマンに加えてスワガーが加わったからなぁ。接近戦はグレイマン、長距離射撃はスワガーを起用します。同時に米国人は合衆国憲法修正第2条を大事に思っていることがよくわかりました。我々の憲法第9条への思いと似ていて、センシティブでビビッドな問題である。銃なんて規制すりゃいいのにと思っていたけど、誇りと矜持と、国の成り立ちに深く関わるもの。日本人が軽々しく言えるものではなかった。2017/10/28