内容説明
日経ビジネスオンライン人気連載「中国新聞趣聞」待望の書籍化!2017年、中国に体制変革が起こる!?“五輪後9年ジンクス”の奇妙な符合。「反日」を口実に膨張する社会不満と民主への希求。“革命”の足音は近づいている。
目次
第1章 迫害される反体制派たち(異端児・艾未未―目立ちすぎると逮捕、加速する反体制派狩り;鄭義・徐文立・王丹―言論統制下、亡命知識人の葛藤 ほか)
第2章 中国に“革命”は起こるのか(中国版ツイッター「微博」が情報統制を突き崩す;“中国ジャスミン革命”の実現性―ツイート1本で100人以上を拘束 ほか)
第3章 熾烈な政治暗闘(汚職摘発は政争とセット―頼昌星の中国送還、ターゲットは習近平か;薄煕来事件を振り返る―「重慶モデル」と「打黒唱紅」が実現していたら? ほか)
第4章 “反日デモ”の実態(王子製紙・排水管敷設への抗議活動は、反日デモではない―中国で高まる“民主化リスク”;デモ参加者は何を求めているのか―意外と軽い“反日”、本音はどこに ほか)
著者等紹介
福島香織[フクシマカオリ]
1991年、産経新聞社に入社。上海・復旦大学に語学留学し、2002年から2008年まで中国総局記者として北京に駐在。2009年、同社を退社し、現在はフリージャーナリストとして活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
21
中国は「事実は小説より奇なり」を地でいく国。表面化する不正蓄財は司法の成果というよりは権力闘争の結果で、犯罪者は生贄。中には拷問や脅迫による冤罪も含む。早い者勝ち主義の急な経済成長により党のエリートと富豪に富が集中、貧者との間に格差が生まれた。反日デモはその格好のはけ口で、実態は、民意・民主リスク。中国の未来は、管理された偽民主化か、専制強化か、分裂かの三択。隣国だからといって特別な配慮は不要。無法や非法は国際社会の一員として正すべきだ。悪友に親しめば、共に悪友になる。それはお互いにとってよくないことだ。2014/01/15
向う岸
7
中国最大のリスクは反日ではなく民主化運動であり、格差の拡大や汚職に対する不満で、大規模な混乱が起きてしまうかもしれないからだ。同時に貧富の差が広がっているとはいえ、食うや食わずだった時代に比べて裕福になったから、今度は民主化を求めるようになった。人は何より自由に発言の出来る社会を望むということを教えられる。オリンピックの9年後に国の体制が変わるという話、中国にも当てはまるのやら。2013/01/21
ナナ
3
直接反日デモについて書いた部分は多くありません。国内の経済格差による不満を打ち消すためのガス抜き・権力闘争、どれも以前から言われていることですが、この本を読んで改めて、そんな単純なことではないのだと思わされました。中国は今後ますますつき合いにくい国となっていくのでしょうが、雰囲気に流されて嫌ったりすることのないよう注意しなければ、と思います。2013/03/06
Meistersinger
3
チベット僧や人権活動家への弾圧は酷いものだが、わりとよく知られている事。民主化リスクは見過ごされがちだが重要(アラブと同様に、最終的に落ち着くとしても民主化直後は混乱が起こり、その矛先が日本に向かう可能性大)。全ては密室の中の権力闘争の産物というのも、対応に窮するところだ。2013/02/17
Kotaka Yuji
2
反日デモに関する内容は最後の章だけ。その他は中国国内の権力争いに関するドロドロについて。この国の闇は深い。2015/12/05
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- 和書
- あかちゃん