内容説明
じわじわと命を蝕む低線量被曝の恐怖。広島で被爆して以来、6000人の被爆者を診てきた95歳の医師が警告。
目次
第1章 原発事故の影響でこれから何が起こるのか
第2章 体を侵す放射線被害
第3章 低線量被曝のメカニズムを解明した「ペトカウ効果」
第4章 低線量・内部被曝の怖さ
第5章 被爆体験と「原爆ぶらぶら病」
第6章 “一億総被曝時代”を生きるには
第7章 原発のない社会へ向けて
著者等紹介
肥田舜太郎[ヒダシュンタロウ]
1917年広島生まれ。医師。広島市への原爆投下により自身が被ばく、その後被ばく者の救援・治療にあたる。6000人以上の臨床体験をふまえて「原爆ぶらぶら病」と呼ばれる症状や、低線量・内部被曝の影響に関する研究にも携わった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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♡♡♡
18
とにかく、1回どかんと被爆するよりも、ちょとの量でも体内に入ってしまって長時間被爆するほうが害が大きいということが書かれている本。肉や魚は食塩をいれて煮るとセシウムがいくらか煮汁に出る。スーパーオキシドディスムターゼとカタラーゼといった酵素が酸化を抑える。ビタミンE・A・C・亜鉛・マンガンベータカロチンも酸化から身を守る。2014/11/06
若冲
13
肥田先生の講演を拝聴した事がある。矍鑠とした姿 飾らない言葉。しかし、内容は重く尊い。自分は右でも左でも鳩でも紅くもない。所謂ノンポリ世代だが、次世代に負の遺産を遺してはいきたく無い。被曝の怖さを知っている筈の識者ですら、原発事故の際に大きな声をあげなかったように思うが、この本を読んで貴方達は故郷を離れた人達を責めれるだろうか?内部被曝の診察を出来る医師を育てるのにも尽力されている。そんな95歳の闘志と覚悟を少し頂ける本だ。2013/01/17
うらじ
6
高線量×短時間被曝よりも低線量×長時間被曝の方が合計の放射線量が遥かに低い値で細胞が壊れる、SATの平均点がガクッと下がった年と水爆実験と一致、発達時の早期に被爆すると攻撃的で発達障害のある子孫をもつという動物実験の結果が出されている、などなど色々と信じがたい話が多い本書だが、原爆はアメリカの軍事機密だから被爆について研究調査するのも口外するのも禁止され、被爆者が被害を訴えられなかったという話がなによりも衝撃的だった(著者も数度捕まったとのこと)。2014/07/29
ryuetto
2
非常に読みやすく、わかりやすく書かれた本で、「内部被曝」について詳しく知りたい人には、ちょうどいいテキストなんじゃないのかと思いました。肥田先生は、前々から、被曝に対抗するには、「体の免疫力を落とさないように、規則正しい生活をするしかない」と発言していたわけなんだけど、著書を読んでやっと実感した。本当に、それ以外に対処する方法がないってことなんだ。 みんなが知っておくべき基本的なことが丁寧にかつ簡潔に書かれているので、出来うる限りたくさんの人に読んで欲しい。オススメです。2012/09/21
冬木楼 fuyukirou
2
体内に取り込んでしまった放射性物質は排出しようがなく、体を中から傷つける……「内部被曝」の怖さを淡々と。2012/09/10