内容説明
芸と師匠と落語の世界。東西十二人の名人のあり方から、落語の“姿”を描き出す名芸談集。
目次
第1章 立川談志―“律”を渇望し、時代の混沌と対峙する稀代の噺家
第2章 林家木久扇―日本橋、チャンバラ、落語/故郷なき故郷に想いを馳せて
第3章 柳家小満ん―物語を背後に隠して/文楽から受け継ぐ豊かな地下水脈
第4章 月亭八方―大阪“ドリーム”を体現する、色気とタフさ
第5章 三遊亭歌之介―語り直しの旗手が放つ、現在進行形の生々しさ
第6章 桂小金治―落語を庇護し、育てた時代を幻視させる噺家
第7章 古今亭寿輔―酔わずに眺める藝の軽さ、“寄席の達人”
第8章 三遊亭金馬―安息と悪所/寄席と芸の移ろいをみつめて
第9章 桂文字助―成就を求めぬ、落語的エッセンスの体現者
第10章 笑福亭松之助―師匠・松鶴、弟子・さんま/人間はひとり、諦観とともに
特別編その1 川柳川柳―落語家の聖書
特別編その2 桂吉朝―清浄なる高座
著者等紹介
松本尚久[マツモトナオヒサ]
1971年、東京都生まれ。関東学院大学卒。「浜美枝のいつかあなたと」(QR)、「立川談志最後のラジオ」(QR)、「ふれあいラジオパーティー」(NHK)等、放送作家を中心に活躍。落語会のプロデュース等も行う。明星大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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菅家
1
対象となる落語家12人の芸をインタビューでの発言や過去資料を用いて掘り下げ、落語の深淵を探る評論本。物事の良し悪しを判断するのではなく、数々の落語家たちのそれぞれの落語のカタチを掴もうとする本書は、帯で立川談春がいっているように“屁理屈ばかりの並みの落語本とはワケが違う”。真の評論と呼ぶに相応しい。ただ、些か難解な点も多く、即ちハードルも高い。まあ、それを差し引いた上で、面白いのだが。2011/03/25
ホリエンテス
0
様々な咄家のエピソード。知らない人がほとんどだったが著者の想いは伝わった。2016/04/04
from_kumagaya
0
作者が使う読みなれない言い回しに違和感を感じたりもしたが、興味深い逸話を楽しんだ。2010/08/17