内容説明
捜査を通じて浮かんだ事件のキーワードは、「DV=配偶者間暴力」でした。歌織被告は犯行を認めた上で、警察の調べに「夫からの暴力に耐えかねて殺害した」という趣旨の供述をしたのです。これに対し、弁護側は全く異なる構図だと法廷で訴えます。「DVの連続で被告は精神的に追い込まれ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥り、自分の行動が制御できなかった」と。歌織被告は「強欲で自己中心的な悪妻」だったのでしょうか。それとも「迫害され、追いつめられて心の病んだ悲惨な妻」だったのでしょうか。歌織被告が心神喪失状態であったのなら、刑法の規定により、歌織被告は無罪となります。あなたが裁判員に選ばれたとしたら、この事件をどう裁きますか。
目次
双方に愛人「セレブ夫妻」ドロ沼結婚生活の果てに
夫婦が互いに「浮気」を疑い、探り合い…
堕胎、束縛、口論、暴力、カネ…そして未練
離婚望んだのは被告?祐輔さん?母は「何度も要求した」
牧師と友人「DVは継続していたと思う」
友人、親、親族を巻き込み…歌織被告が語る「地獄絵」
検察こだわる「で、なんで離婚しなかった?」
二人の父親が語った「事件で壊された人生」
予想外…精神鑑定医二人そろって「歌織被告は心神喪失」
幻覚、幻聴、幻臭…生々しい描写に覆われる法廷〔ほか〕