内容説明
捜査を通じて浮かんだ事件のキーワードは、「DV=配偶者間暴力」でした。歌織被告は犯行を認めた上で、警察の調べに「夫からの暴力に耐えかねて殺害した」という趣旨の供述をしたのです。これに対し、弁護側は全く異なる構図だと法廷で訴えます。「DVの連続で被告は精神的に追い込まれ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥り、自分の行動が制御できなかった」と。歌織被告は「強欲で自己中心的な悪妻」だったのでしょうか。それとも「迫害され、追いつめられて心の病んだ悲惨な妻」だったのでしょうか。歌織被告が心神喪失状態であったのなら、刑法の規定により、歌織被告は無罪となります。あなたが裁判員に選ばれたとしたら、この事件をどう裁きますか。
目次
双方に愛人「セレブ夫妻」ドロ沼結婚生活の果てに
夫婦が互いに「浮気」を疑い、探り合い…
堕胎、束縛、口論、暴力、カネ…そして未練
離婚望んだのは被告?祐輔さん?母は「何度も要求した」
牧師と友人「DVは継続していたと思う」
友人、親、親族を巻き込み…歌織被告が語る「地獄絵」
検察こだわる「で、なんで離婚しなかった?」
二人の父親が語った「事件で壊された人生」
予想外…精神鑑定医二人そろって「歌織被告は心神喪失」
幻覚、幻聴、幻臭…生々しい描写に覆われる法廷〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりん
2
裁判でのやり取りが生々しく臨場感があった。このシリーズはどんどん出していった方が良いと思う。2009/06/21
ヤギ
1
絶景の石垣島の海カフェで、このおどろおどろしい本を熟読(^^ゞ注目される裁判は、マスコミ席を確保され席数が少なくなり一般傍聴席はすごい倍率になるので、このシリーズは是非とも続けていただきたいと思います。変な主観が入らないところがいいです。2009/08/21
手ぬぐいゲッター
0
こういう本を読むと自分が裁判員になったとき正しく判断できるかなと考えてしまいます。 地裁の見学会に参加して模擬裁判を経験したりしたけど自分にもできるか謎が深まるばかりです(^^ゞ2016/08/11