内容説明
ヴェネツィアに生きる猫たちはいきり立っていた。海に囲まれたこの愛する街で、またぞろ殺人事件が起きたのだ。カリスマ的ボス猫のカルーソーは、自らの手で事件を解決すべく、愛しき雌猫カミッラや仲間たちとともに、路地から路地へ、運河から運河へと探索を始める。やがて事件の背後に浮かび上がる、作曲家ヴィヴァルディの遺した秘宝の謎―。個性豊かな猫たちの華麗なる大冒険のゆくえとは?全ての猫好きとヴェネツィアを愛する人々に捧げる、珠玉の猫ミステリー。
著者等紹介
マルティーニ,クリスティアーネ[マルティーニ,クリスティアーネ][Martini,Christiane]
1967年、フランクフルト生まれ。ブロックフレーテの演奏家、古楽器アンサンブルの指揮者、作曲家として活躍するかたわら、児童書の執筆や教則本の編纂にもあたっている。『猫探偵カルーソー』が初のミステリーで、すでに続編が2冊出版されている。現在は、夫と二人の子どもとともに、フランクフルト近郊のドライアイヒに在住
小津薫[オズカオル]
同志社女子大学英米文学科卒、ミュンヘン大学美術史学科中退。英米・独文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
77
ヴェネツィアを舞台に猫達が殺人事件を追うドタバタ劇。威厳あるボス猫や、パッとしない見た目ながら賢い雌猫、いつも一緒の黒猫兄弟などなど個性豊かな猫達が沢山登場します。美人猫や美味しい食事などの誘惑に負けて、すぐ捜査を忘れちゃうのは猫らしいご愛嬌。可愛らしい作品でした。2022/02/18
ケロリーヌ@ベルばら同盟
55
【にゃんこまつり2022】藍色に暮れなずむ不穏な空を背景にした、王者の貫禄をまとう立派なトラネコの姿に惹かれ、手に取った一冊。歴史と美と音楽が運河に揺蕩う水の都ヴェネチアに生きる、誇り高き野良猫カルーソーは、猫軍団のリーダー。素敵な宵に起きた殺人事件は、人間どもの不始末なれど、猫社会にも治安の悪化は無関係ではない。縄張りを越え、他地域の猫軍団と連携を取り、時に人間にヒントを与え、美しい街を乱す犯罪に鉄槌を下す、痛快なエンタメ・ミステリー。個性際立つ猫たちと、美しいヴェネチアの場景描写が楽しく、一気に読了。2022/02/28
あまね
6
ヴェネツィアを舞台にした猫ミステリ。犬のホームズのように擬人化された猫が探偵をするのかと思ったら違った(笑) でも、主人公のカルーソーは文字が読めるし、統率力や推理力に優れた頼もしいリーダー。外見にとらわれず、賢くて勇敢なカミッラを恋人に選ぶ所もナイス。たくさんの個性的な猫たちが、ヴェネツィア中を所せましと走り回って、事件を解決に導いていく。猫らしく目先のことに気をとられて、方々に脱線するのもご愛嬌。キャラクターが多くて、時々混乱してしまったので、アニメとかでやると、賑やかでいいかも。2017/02/01
マーシャ
5
物語の舞台はヴェネツィア。ゴンドラに横たわる死体を見つけた猫たちのボス、カルーソーは、観光の街の風評被害から猫が被りうる損害を未然に防ごうと、犯人探しに乗り出す。事件の真相解明はヴィヴァルディの時代までさかのぼることに。そもそも、この作曲家が元聖職者だと知らなかったので、導入部では「?」だったw。ニャンコたちは捜査中、あちこちに脱線してしまいヤキモキしてしまったが、考えてみると、これこそ猫の愛すべき習性なのであったw。女性の外見より聡明さを重視するカルーソーに拍手。2016/01/28
みやぎ
3
ベネチアで起こった殺人事件をボス猫のカルーソーが解決する。登場するのもほとんどが猫なので、謎解きなんかはあっさり。犯人以外に出てくる人間の中でオルネッラの飼い主カステッロ刑事が協力的なのがいい。2017/02/18
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