内容説明
1980年12月8日、ニューヨーク・マンハッタン、ダコタハウス。世界的なミュージシャンが5発の銃弾を浴びて殺害された。犯人は世界一のジョン・レノンファンを自称するM・チャップマン。犯行の瞬間、彼が手にしていたのは、一丁の拳銃と「ライ麦畑でつかまえて」だった。
目次
第1部 ライ麦畑で間違えて(銃声;狂気が蠢く;ライ麦畑で間違えて;接近遭遇;もう、いいかい?(……まだ、だよ)
凶行の果て)
第2部 波紋(スーパースターの知られざる顔;ジョンなきあとで;チャップマンのカルテ)
第3部 リトル・ピープル(殺意のルーツ;リトル・ピープル;ワイルドで行こう;ぼくを探しに―ビッグ・トッドとの出会い;ネモ船長の栄光と挫折)
著者等紹介
ジョーンズ,ジャック[ジョーンズ,ジャック][Jones,Jack]
ジャーナリスト。アッティカ監獄に懲役365年の刑に服役中の連続女性殺害犯“サムの息子”デイヴィッド・バーコウィッツの初めての獄中インタヴューに成功。その業績により、数多くの賞を受賞する。ニューヨーク州カナンデイグア市在住
堤雅久[ツツミマサヒサ]
1951年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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冷たいウォンバット
2
何者かになりたい、子供に憧れた、殺人者の自伝。 読んでいけばわかるが、混乱した家庭の子供というものは、大人になる事を強制される。そういう家庭は、子供を見る余裕がないから。 そういう人間は、子供らしい悪意や善意すべての純粋さを発散する事なく、そのまま穢れを帯びた大人になり、一生、その純粋さに憧れる。 そして、諦めるとか妥協ををしたくなくなる。(純粋さと反する事だから) そういう人間にとって、ジョンレノンは、成功した故、純粋さを真似る人間に映ったのだろう。俺は、チャップマンの人生と重なる部分があり、涙が出た。2016/01/30
いちみ
1
ジョン・レノンが暗殺されたとき、、、友人たちとその大きな衝撃を分かち合うのが精一杯で、その事件の詳細など知りたくも無かった。2008/01/15
冷たいウォンバット
0
よくわかります。 何者かでありたい誇大妄想の能力の伴わない人間の思考回路です。 彼は何者にもなれないので、ヒーローと自分を重ね合わせるのです。 そして彼はそういう自分を自覚しているので、自分が嫌いです。 彼は自分を殺したいと思います。 ある日、過去のヒーローが自分を裏切ります。 彼はヒーローが嫌いになります。 彼は、自分とヒーローを同一視しています。 彼は自分を撃ちます。2015/11/29