内容説明
荒涼としたテキサスの田舎で、石油を掘り当てた男は、町に不相応なホテルを建て、若い妻をめとって暮らしはじめた。そんなホテルの警備主任として雇われた流れ者は、厄介ごとを背負わされるはめになる。だが、会計係のささいな犯罪が、ホテルの微妙な均衡をくずし、人間の裏の顔をあばきだす。欲望渦まく駆け引きは、予想外の方向へと転がり、その背後には、町を隠然と支配する保安官助手ルー・フォードの姿があった…ノワールの帝王が、意外な結末で贈るミステリー・ドラマ。
著者等紹介
トンプスン,ジム[トンプスン,ジム][Thompson,Jim]
1906年生まれ。職業を転々としながら作家活動をつづけ、42年に初長編を出版。49年に犯罪小説に転じ、その後、ペイパーバック・オリジナルを書きとばす。50年代なかば、S・キューブリックの映画製作にかかわる。小説が斜陽となると、TV脚本にも従事。作品がすべて絶版の状態で、77年に死去。死後、ようやく作品の再評価がはじまった
三川基好[ミカワキヨシ]
1950年生まれ。早稲田大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ノコギリマン
26
読了。相変わらずたまらんちん。なにがたまらんかって、あのルー・フォードが出てるってところよ。トンプスン、好きすぎてゴチャゴチャ言うのもダサい気がするので、なんも言わないことにする。それにしても、ルー・フォードを出しておいてああいう展開にするというか、ああいう役回りにするのはさすがというかなんというか。なにが言いたいのか分からない感想になってしまってごめんなさい笑2016/06/23
フロム
10
平野夢明の長編、村上龍の「五分後の世界」等なんとなーく読み返したくなる本ってありますよね?本著もその一冊。トンプソンでもっと出来のいい作品はいくらでもあるのだが軽い感じで読み返せる気楽さがいい。一回読んでいるので純粋に構成を楽しめるのも良かった。内容を忘れたころにまた読み返したい。2018/08/30
フロム
8
軽く読めて、かつ極めてリーダビリティが高いのでチョイチョイ読みたくなる本。もう3回か4回は読み直してる筈である。 この本がここまで魅力的なのはキャラクターが相当作り込まれており、各々のキャラの履歴書が構成に上手く生かされていて人物が生き生きとそして瑞々しく活動してる点にある。後半はちょっと駆け足かなと言う気がするが、目を瞑ると場面が浮かぶし作中の天才キャラ、ルー•フォードは確かに賢く見える。 一度読んでオチを知っている状態で読んでもそれなりに楽しい本である。2020/12/24
GO-FEET
7
なるほど、こういう普通のミステリも書くんや……2018/07/14
hikarunoir
6
あっさりしたトンプスン。
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