内容説明
バーフォード伯爵邸のオールダリー荘へ、映画関係者たちが新作の下調べにやって来ることに。前回の殺人事件ですっかりパーティ嫌いになっていた伯爵も、ごひいきのスターが来ると聞いて大乗り気。娘のフィアンセ候補や遠来の親戚、飛び入りの大女優なども加わって、邸内は大賑わいだが、そこでまたもや殺人が発生し…。前作を上回る上質のユーモアと華麗な推理合戦、二転三転するプロット。復古本格の王道をひた走る幻の「オールダリー荘」シリーズ第二弾、待望の本邦初訳。
著者等紹介
アンダースン,ジェームズ[アンダースン,ジェームズ][Anderson,James]
1936年、イギリス生まれ。レディング大学で歴史学を専攻後、セールスマン、コピーライター、フリー・ジャーナリストなどを経て作家に。70年代以降に登場した本格ミステリーの旗手として、高い評価を得ている
山本俊子[ヤマモトトシコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
80
バーフォード伯爵邸シリーズ第2弾。今回は映画関係者が撮影の下調べに、伯爵邸に集まります。それにバーフォード夫人の従姉妹夫婦に、ジェラルディーンのボーイフレンド2人が加わります。雪降る夜中、銃声が鳴り響き駆けつけると、遺体の側に銃を持ったボーイフレンドが立っています。笑ってしまうのは、夜中に客の皆々がそれぞれの思惑で徘徊していたという、前作と同じ状況になる事です。今回もラストに、探偵役が皆々を一同に集め盛大な謎解きを披露します。意外な犯人は勿論、様々な謎が解かれ登場人物のそれぞれの結末は読み応え抜群です。 2019/04/28
本木英朗
18
英国の現代本格ミステリ作家のひとりである、ジェームズ・アンダースンの長編のひとつである。俺は今までに2回読んでいて、今回で3回目だ。バーフォード伯爵邸のオールダリ―荘へ、映画関係者たちが新作の下調べにやってくることに。前回の殺人事件ですっかりパーティ嫌いになっていた伯爵も、ごひいきのスターが来ると聞いて大乗り気。娘のフィアンセ候補や遠来の親戚、飛び入りの大女優なども加わって、邸内は大賑わいだったが、そこでまたも殺人が発生し――という話である。今回も俺はまったく分からなかったが、それでもいいさ(→)2023/04/18
本木英朗
17
いやあ、本当に面白かった。これこそ、探偵小説の王道なのだと。これこそ、本格推理ものを読む楽しみの精髄なのだと。これこそ、旧きよき英国ミステリの偉大なる復活なのだと。万歳三唱したくなってしまった。素晴らしかった。昨年のうちに読んでいたら、間違いなく年間ベスト3に入っていたな。そりゃ皆さん絶賛するわけだ。『血のついたエッグ・コージイ』もここまで面白かったという記憶は無い。個人的に、この作者のベストは『殺意の団欒』であったのだが、それを軽々と塗り替えてしまったな。
本木英朗
17
シリーズ2作目。私は1回目に読んでからはこれはぜんぜん読んでない。これが2回目になるわけだが、やっぱりアンダースンは面白いよ、うん。登場人物もたくさんいるが、今回は誰が探偵役を務めるのかがいいよね。さらにその後、執事メリーウェザーが出てきてからがまたすごい。いやー、本当にこれはよかったよ、うん。3作目も英本国では2006年に出たそうだが、日本ではどうなっているのか、私は知らない。うーん、誰か教えてくれ。2019/02/26
アルパカ
8
大変楽しかった。やっぱり英国のお屋敷物は面白い。今回も犯人は意外だった。ウイルキンズ警部はやる気があまりなさそうに人には見せるが非常に頭が切れる。執事のメリーウエザーがとてもいい味を出している。2023/04/26