- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > 海外文学
- > その他ヨーロッパ文学
内容説明
運河にかこまれた街で生まれ、きらめく水の美しさを見て成長した「ぼく」は、地元のボートクラブに参加する。こぎ手の動きがかみ合わないもどかしさと、うまくいったときの爽快感を知ったころ、クラブにドイツ人コーチがやってきた。コーチは、2人乗り競技の選手として、優秀なダーヴィッドとともに、なぜか、ぼくを選ぶ。アンバランスで対照的なふたりは、川沿いにつづく風景のなかを、ひたすらボートをこぎ、光きらめく水面を進む。そして、ふたたび夏がやってきた。かけがえのない、けっして忘れられない夏が―大戦直前のオランダを舞台に、ボートにかける少年たちの姿を描き、世界から絶賛されたベストセラー青春小説。
著者等紹介
ブリンク,H.M.ヴァン・デン[ブリンク,H.M.ヴァンデン][Brink,H.M.van den]
1956年生まれ。新聞記者から、TV局でディレクターとなる。『追憶の夏 水面にて』が、オランダでベストセラーとなり、世界的に高い評価を得た。アムステルダムで、妻と3人の子どもと暮らす
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年生まれ。法政大学教授。翻訳のほか、書評でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
75
第二次世界大戦直前のオランダ。運河に囲まれた街で生まれ育ったアントンは、ボート競技に魅せられボートクラブに入った。ある日やって来たドイツ人コーチは、裕福な家の息子で優秀な漕ぎ手のダーヴィットと、貧しい路面電車の運転士の息子で漕ぎ方も未熟なアントンを二人乗り競技の選手に選ぶ。対照的な二人は、厳しい練習の中、互いにかけがえのない存在となっていく。アントンの語りは、詩のように美しく、鮮烈だ。そして、深い余韻を残す。アントンの語りは、翌年のオリンピックを目指す約束をするところで終わっている。➡2020/01/04
shikada
17
第二次世界大戦中のオランダで、ボート競技に打ち込む二人の少年を描く小説。とある偏屈なコーチに見いだされた二人は、ハードな練習でボートに習熟していくなかで、狭苦しい街では感じ得なかった開放感を得ていく。会話がほとんどなくて、主人公のモノローグとその相方の行動で二人の関係性を読み取らないといけなくて、今ひとつ没入できなかった。ラスト、「1940年のオリンピックでまた一緒にボート競技に出場しよう」と約束するシーンがあるんだけれど、このオリンピックって確か戦争の影響で中止されたんだよな…。2020/10/25
kinaba
0
青春小説とはいうけれど、ストイックにボート競技に触れてストイックに練習し続けストイックに勝っていく印象が勝る2014/10/22
Haruna Sakakibara
0
ボートのおかげで一部のコンプレックスから解放されたのは私も主人公と同じ2013/08/07
りっか
0
数年後に、忘れられない夏を回想しながら一人称で語る形式をとっているので初めは過去と現在が入り交じってとまどってしまったけど、それに慣れると映画のような効果をもたらす。2006/05/17