内容説明
「死人に口なしだが、証拠は残る。」「決定的な死因、最重要な死因はひとつなのだ。それを私は、懸命に探し出す。新たに得られた証言と、事実の片鱗を示唆している証拠、それに自分自身の経験と知識から私はこの十二の事件の真相を推論することにした。」力道山からオウム・村井秀夫、新井将敬、尾崎豊まで、多くの謎を秘めた12の怪死事件に、「名探偵」安部譲二の推論が鋭く迫る。“テレビ・新聞が報じ得なかった”戦後史の深淵にも果敢に挑む快書。
目次
第1章 朝日新聞阪神支局襲撃事件
第2章 新井将敬
第3章 下山事件
第4章 永野一男(豊田商事会長)
第5章 尾崎豊
第6章 田宮二郎
第7章 力道山
第8章 村井秀夫(オウム真理教幹部)
第9章 帝銀事件
第10章 元大鳴戸親方
第11章 ロッキード事件(田中総理運転手・笠原正則)
第12章 御巣鷹山の五百二十人
著者等紹介
安部譲二[アベジョウジ]
本名・安部直也(あべ・なおや)。1937年東京・五反田生まれ。プロモーター、キックボクシングの解説者、日本航空パーサーなどを経て、現在は小説家
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
35
元安藤組の安部譲二氏が12の怪死事件を、その特異な経歴の知識と経験を元に推論する。安部氏で無ければ書き得ない様な事実や推論はとても興味深く、文中で言及している痛烈なマスコミ批判にはうなずけるものがある。ただ1冊に12の事件を詰め込んであるので1件のページ数が短かく、またあくまで推論であって真相では無いのが残念。是非、この推論を証明出来る様な証拠なりを探し出し、また書籍化して貰いたい。2015/09/25
kinupon
34
真実かどうかは別にして、裏社会という別の角度から見た内容です。それなりに面白かったです。2015/03/04
papaya
7
力道山、田宮二郎、帝銀事件、日航機123便、などについて、著者の推測を述べた作品。力道山と言っても焦点は力道山ではなく、刺殺した村田勝志に当てている。単なる推測ではなく、著者と個人的関係があり、本人と話しているので説得力がある。2023/03/16
pino
6
怪死の謎ときも、さることながら当時の裏社会の話が興味深かった。それにしても田宮二郎さん、生きていてほしかった。2012/02/29
Hikaru Motomura
5
筆者の推論部分が本体のはずなのだが、この部分は筆者自身が推論と書いている通り「信じるも信じないも読者次第」といった感じ。本気で究明しようとしたら、どの事件も一生かけて取材するようなものだろうから、文庫本一冊でいくつも考察するのは、そもそも無理がある。ただ筆者自身の体験に基づいた推論もあり、かなり説得力を感じるものもあるし、文章も読みやすいので、軽い読み物としては悪くない。個人的には、事件名くらいしか知らなかった過去の怪死事件のあらすじが知れたのが良かった。2021/07/12