内容説明
1930年代末、近衛首相の戦略顧問をつとめる島津男爵は、ドイツとの外交交渉へ旅だった。しかし、病める総統ヒトラーとその帝国を目の当たりにした男爵は、歴史を変える決断をしようとしていた。それは同時に、島津家の人びとの運命を大きく変える、長いドラマの幕開きでもあった…独自の世界戦略を展開させて太平洋戦争を制し、一大帝国を築いていく日本の姿と、歴史に翻弄される人間群像。殺人、誘拐、スパイ、テロリズムなど、多様な犯罪を織りこんだ9つのミステリーをとおして、緻密に構築された架空の現代史を浮き彫りにする野心作。著者は、2002年度マカヴィティ賞受賞作家であり、本書は「ニューヨーク・タイムズ」の推薦図書に選ばれた。
著者等紹介
ヘイデン,G.ミキ[ヘイデン,G.ミキ][Hayden,G.Miki]
1944年生まれ。ジャーナリストとして活躍するかたわら、ミステリー、SFなど、多彩な作品を発表。本書で単行本デビュー。オンラインの創作講座でも教え、ミステリーの書き方をまとめたWriting the Mysteryでマカヴィティ賞を受賞。アメリカ短編ミステリー協会の会長もつとめる
野村芳夫[ノムラヨシオ]
出版社勤務を経て、英米文学翻訳家
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