内容説明
辛い過去を背負ったジェイク、売春婦に身をやつしたアン。二人が巡り会ったのは悪魔の所業なのか？組織のブツを横領したアンのせいで、ジェイクは逃走劇の道連れに。“組織”の執拗な追跡、不貞を繰り返すアンに対する嫉妬、そして絶望。苦しい現実から逃れるように互いを貪りあう二人は知っていた、破滅が彼らを待ち受けていることを…。アメリカを全力疾走する恋人たちの姿をダイナミックに描いた愛と絶望の物語。“エロティック・スリラーの帝王”による待望の長編、ついに刊行。
著者等紹介
ジャクボヴスキー，マキシム［ジャクボヴスキー，マキシム］［Ｊａｋｕｂｏｗｓｋｉ，Ｍａｘｉｍ］
イギリス、バーネットで生まれ、フランス、パリで教育を受ける。ロンドンでミステリー専門書店「マーダー・ワン」を経営するかたわら、執筆活動に意欲的に取り組んでいる。女と銃と血をこよなく愛する彼は、ケルアックやミラーらと並び称され、高く評価されている。また、映画評論家としても有名で、「ガーディアン」など多くの紙誌に寄稿している
真崎義博［マサキヨシヒロ］
１９４７年東京生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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hikarunoir
8
つくづく自分は逃走していくカップル物語が好きだと思う（50年代の映画『拳銃魔』さえ愛おしい）。ここには共犯者意識、衝動的で刹那的な愛、互いへの疑惑、破滅、全てがある。作者はどっちかというとミステリー批評／映画批評寄りの方なので、そこら辺の力加減を心得ているというか、性描写と暴力描写のメリハリと切り詰めた登場人物故に、軽く読めてなおかつやるせない気分になれる。佳作。
慧
0
★1/22002/07/30
