扶桑社セレクト<br> よみがえる鳥の歌〈下〉

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よみがえる鳥の歌〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 439p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594036171
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

兵士を圧迫する土中の闇。泥と砲火と死にかこまれた日々。スティーヴンたちは、歴史に残るソンムの激戦で、多くの仲間を失なっていた。しかし、悪夢のような日々に、唯一のなぐさめの光が差してくる―時は流れ、1978年。ロンドンに住むエリザベスは、自分の人生に悩んでいた。そんな彼女が見つけた、亡き祖父の日記帳が、過去の扉をひらく…「この40年間で最高の小説」と激賞され、“20世紀を代表する50冊”に選ばれた名作、ついに登場!愛と戦争と人間を圧倒的な筆致で描ききった歴史大作。

著者等紹介

フォークス,セバスティアン[フォークス,セバスティアン][Faulks,Sebastian]
1953年、英国ニューベリー生まれ。さまざまな新聞に寄稿したり、記者として活躍したのち、小説家としてデビュー。1995年度「オーサー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた

松本みどり[マツモトミドリ]
英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

273
上巻の第1部と第2部の乖離はこの巻で融合した。ただ、今度は1917,8年と1978,79年とが新たな断絶を見せることになる。平和で茫洋とした1970年代を描写する意図はわからないでもないが、これまた成功しているとは言い難い。ヨーロッパにとって、第1次大戦の持つ意味の大きさはわかるし、本書がそれを痛切に描き出すことの意義も了解できる。それは最初の世界大戦であり、しかもヨーロッパを主戦場として戦われたのだ。1918年の末尾は、わからなくはないが、残念ながら作家のセンチメンタリズムの発露に過ぎないようにも思う。2017/07/19

遥かなる想い

168
下巻になると、時代は 現代に生きる 孫娘エリザベスの視点からも 第一次世界大戦が 語られる。現代と戦時の日々が 交互に 切り替わり、戦争と祖父の青春が 語られる。戦争を生き延びたスティーヴンと イザベルは 何を夢見たのか?そして その姉 ジャンヌは…戦争の無惨さと 現代に繋がる 生命を 丹念に描いた 作品だった。 2018/06/25

ケイ

119
「愛と戦争を描ききった名作」とか、「40年に一度の名作」などの帯は、些か大袈裟かと。第一次世界大戦の西部戦線(ドイツ側からだが)で戦ったスティーヴンの愛と戦争を描いているのだが、それぞれのパートはいいのだが、とうも戦争と愛の2つが私の中でうまく絡まなかった。フランス側から描いたルメートル氏の「天国でまた会おう」が随所で浮かんできて比べていた。2017/06/11

NAO

66
わずかな土地に、数えきれないほどの行方不明者が眠っている。彼らの遺体は、個人として判別できないほどだったのだ。(上巻で、そういった爆撃のシーンが描かれている。)それなのに、それほど数えきれないほどの悲惨な死があったというのに、そんなことがあったことさえ忘れ去られようとしている。だからこそ、こういった本が必要なのだ。2020/09/12

ともりん

3
壮大。800ページあり辛い描写も多いのに読む手を止められない。第一次大戦と1970年代のコントラストが戦争体験者の祖父母と自分とも重なる。スティーブンの人生は壮絶だったけれども、命を繋げたことが良かった。愛を知らない孤独な男でありながら実は愛に溢れた人。個人的にはジャンヌの生き方に涙が出る。妹のように行動できなかった姉。好きな人から愛されないことを受け入れること。でも気高い。時間を割いて読んで良かった。2021/02/16

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