内容説明
1998年6月のニューヨーク。サラとグレッグは病院に向けて車を走らせていた。現在独身のサラは妻子あるグレッグの子供を宿していた。そして彼らが出した結論は中絶。病院の近くでサラが車を降りグレッグが駐車場所を探しに走り去った直後だった。何物かがサラを車の中に引きずり込み連れ去った。失神させられたサラが意識を取り戻したのはどこかの家の地下室。ここで彼女を待ちうけていたのは不条理で際限のない暴行だった。あの『隣の家の少女』の悪夢が再び甦る。
著者等紹介
ケッチャム,ジャック[ケッチャム,ジャック][Ketchum,Jack]
俳優、教師、出版エージェントなどの職業を経て80年に『オフシーズン』で作家デビュー。S・キングが絶賛する作家。本名ダラス・マイヤー
金子浩[カネコヒロシ]
1958年生まれ。翻訳家。訳書にハーヴェイ『ストーカーズ』ケッチャム『隣の家の少女』『老人と犬』『オフシーズン』(いずれも扶桑社ミステリー)ジョーンズ『魔笛』(講談社文庫)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
*maru*
45
ケッチャム4冊目。堕胎手術を決意したサラを、更なる苦しみと恐怖に突き落とす悪魔の所業。犯人側が示唆する監禁の目的がいまいち府に落ちず、それがかえって恐怖心を煽る。ケッチャムの作品の主人公は男女問わず皆タフだが、本書のサラも強い。徐々にエスカレートする暴行、加害者と被害者双方の意識、サラに寄り添う猫の存在。残酷な作品ではあるが、所々に希望や癒しを配置する構成で内容のわりに嫌な印象が残らない。しかし、相変わらず人を選ぶ作品なので特に妊娠中の方にはおすすめできないでしょう。2018/03/27
coco
34
妻子ある交際相手の子供を身ごもったサラは、中絶するために病院に向かった途中、何者かに車で連れ去られてしまう。そして地下室に監禁、拷問。監禁生活の中で徐々に大きくなっていくお腹。サラと赤ちゃんは。。もうほぼ監禁拷問の描写なので、感想云々と言う前にとにかく息苦しい。ページ数少ないけど疲れた。。これは伏線だ!と思った所も全く関係なかったし、捻りのない動機にも拍子抜け(そもそもミステリではなかった...)。あと1冊ケッチャム作品借りてるけど連続で読むのはキツいかな...。2020/02/02
牙生えかけのサイコ
25
4月の1冊目は、電車移動でサクッと読めちゃうポケット鬼畜小説ケッチャム先生です!痛そうな描写は控え目ですが、本を閉じると「ひどいなぁ…」としみじみ思うのです。何故って、実際の事件がモデルだから。この“そこまでぶっ飛んで鬼畜してない”シンプルな書きっぷりが、事件の生々しさをジットリ伝えてくるのですね。特に妊婦さんは閲覧禁止!木箱のくだりは、元祖アレックスとも言えそうです。そして最後の最後に「イヤーッ」と叫ばずにはいられなかった…ひどい。2017/04/01
Ayah Book
22
変態夫婦に監禁されてしまう妊娠中の女性、果たして彼女の運命は?という物語。ケッチャムさんが好む実話ベースの小説です。残虐度はケッチャムさんにしては薄めなので、初心者の方にいいかも。まあ身動きできないぴっちりした箱に詰め込まれるだけでも相当な拷問ですけどね。。。状況をしっかりと見て、賢明な行動をしたヒロインは素晴らしい。2023/07/07
くさてる
21
そういやまだ読んでない本もあるんだよな、とケッチャムから一冊選びました。妊婦が監禁拷問される話なので、苦手なかたにはぜったいおすすめしないのです。普通こういう話なら、外部の視点を入れていつ主人公が救われるかというサスペンスで盛り上げると思うのだけど、この話はストイックなまでにそういうよけいなものがなく、ただ主人公の置かれた状況がもたらす絶望感と苦痛だけがあるので、迫力ありました。あまりの描写にななめ読みした箇所もいくつかありましたが、ラストまで読みました。良かった。2022/03/12
-
- 和書
- 銀河鉄道の星