出版社内容情報
半年間にわたってつづいてきた産経新聞の評判の連載、『毛沢東秘録』が百二十四回をもって終り、上巻が単行本にまとまった。文化大革命、劉少奇追放、林彪の反逆と墜死、四人組逮捕、鄧小平の追放と復活などなど、中国現代史は壮絶な権力闘争の歴史だった・・・・・。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 290頁、より)
内容説明
菊池寛賞受賞!産経新聞話題の連載、「毛沢東秘録」待望の文庫化(全三巻)。本書、中巻では、文革の遠因が形成された六〇年前後から、劉少奇失脚に続く、六〇年代後半へと移る。毛沢東の大躍進、共産化政策の破綻、そしてそれを修復しようとした劉少奇・〓小平と毛沢東・林彪との溝の深まり、そして次には毛沢東の後継者とされながらその毛自身に追いつめられた、林彪の悲惨な死…。物語は息もつかせぬほど急ピッチに展開し続ける。
目次
第3部 人民戦争の勝利万歳(ソ連への疑念―彭徳懐批判の密告が届いた;「大躍進」の挫折―「神」に諌言の矢が放たれた;廬山の夜―前妻との密会、江青が知る ほか)
第4部 毛主席的親密戦友(武漢視察―流血の地に列車は向かった;王力拉致―武漢は内乱状態に陥った;武漢脱出―トラックで護衛、暗闇に紛れ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
5
文革とは、影響力が低下した毛沢東が仕掛けた権力奪回闘争。中巻では、その権威低下を招いた文革前夜(第三部)と文革の寵児・林彪の絶頂と失墜(第四部)を描く。同志の生殺与奪を握る毛沢東の姿はもはや"皇帝"そのものだ。2018/03/31
このこねこ@年間500冊の乱読家
1
⭐⭐⭐⭐ 初めは労働者のための共産主義であったのに、いつのまにか労働者が権力闘争の駒に使われ、結果数千万人の人が亡くなる。 やはり政治の本質は人を守るためであって、それ以外の目的で行われる政治は最悪なモノになることが、よくわかります。2021/07/30
佐藤丈宗
1
上巻から更に時代は遡り、第三部は大躍進政策の失敗によって毛沢東は不本意ながら後退。しかし、このまま毛沢東が大人しく引き下がる訳がない。他の本を読んでいても出てくる廬山会議での彭徳懐の訴えはやるせない気持ちになる。文化大革命前史。第四部は一転して文革中期。劉少奇を打倒し、用済みとなった紅衛兵を斬り捨て、「後継者」に指名した林豹を追い詰める。端からみればやっていることは滅茶苦茶なのに、それでも熱狂と畏敬をもって崇められ続けた毛沢東はやはり「カリスマ」なのだろうなぁ…2016/11/18
Toshiaki Konishi
0
林彪事件は違和感が残るが、自分がその時代を知らないからなのか。史記には法治主義や徳治主義の記述があったのだが共産主義とは親和性がなかったのか。2012/12/09
shiaruvy
0
毛沢東主義の全貌。




