内容説明
日本や米国では、所有者が名乗り出ないような近世以前の沈没船の場合、発見者が全額自分のものにできる。もちろん重要な考古学的価値のあるときはこの限りではない。だが所有権のない金塊などの「お宝」を、もし海底で見つけたなら、それは全てあなたのものとなる。しかし韓国の「新安沖沈没船」のように引き揚げられた国宝級の陶磁器などが、発見者ではなく国家のものになったり、インドネシアのように領海内の沈没船の全所有権を主張する国もある。しかし財宝を引き揚げること以上に、船が沈没するということ自体が物語だ。いつ、どこで、いったいなぜ、どうやって、その船が沈んでしまったのか。それを探っていくことで、船が積んでいた「お宝」の性格や全貌も見えてくる。遣唐使船で危険な航海に挑んだ貴族たちから日本海に巨体を沈めたバルチック艦隊まで、さまざまな種類の「お宝」と沈没した船の物語を、心ゆくまで堪能してほしい。
目次
1 遣唐使船
2 モンゴルの軍船
3 友ケ島沖沈船
4 サンフランシスコ号
5 マードレ・デ・デウス号
6 江戸期千石船
7 ディアナ号
8 いろは丸
9 開陽丸
10 バルチック艦隊
-
- 電子書籍
- 巨蟲山脈(話売り) #56 ヤンチャン…