内容説明
日常生活のなかに、ぽっかりと口をあける官能の罠。本書は、そんな甘美な戦慄に満ちた作品を厳選した傑作集である。愛と死の深淵に迫るエドガー・アラン・ポー、ブラム・ストーカーの古典から、巨匠ルース・レンデルやロバート・ブロックの名作、新進作家による力のこもった書きおろしまで、多彩な全13編。気鋭の作家・新津きよみ氏による注目のパトリシア・ハイスミス翻訳ほか、すべて最先端のホットな翻訳家による新訳でお贈りする。肉体の奥底を揺さぶり、心をあやしく惑わせる、危険な1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayah Book
17
レンデルさんハイスミスさん目当てで購入。どっちも既読でした。「恐怖と官能の物語」とあるが、両立してた作品は殆どなかったような。バーカーさんのような作品を期待したが、それは難しかったようだ。ブラム・ストーカー「ふさやかな金髪」、エドガー・アラン・ポーの「ベレニス」が印象深かったが、どっちも別にエロくはなかった。エロメインの作品はどうもピンとこなかったなぁ。2023/01/23
かめた
9
ホラーアンソロジーかと思いきや、怖くないお話もちらほら。「性」をテーマとしながらも、死の匂いにあふれた作品が多かった印象。一番好きなのはブラム・ストーカーの「ふさやかな金髪」ですね~ 古めかしい因縁話系ですが不気味で妖気漂う一編です。2018/07/29
くさてる
3
題名通り、エロティックな雰囲気のあるミステリ作品のアンソロジイ。といっても、作品のタイプはバラエティに富んでいて、様々な作家の作品が楽しめる内容で、面白かった。個人的にはハイスミスの「待ち焦がれた男」の熱っぽいもの苦しい雰囲気、「キャサリンのあやまち」の皮肉な雰囲気、謎めいた面白さで読ませた「愛のレッスン」などが良かったです。2013/09/11
世玖珠ありす
1
ミステリー色が濃いエロティックなモノを集めた短編集。エドガー・アラン・ポーやブラム・ストーカー作のモノもある、ある意味超レア物かもしれない。SFあり、カルト系ありの稀少なエロ系短編集でした。2011/04/12