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96.5.30
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
14
狂気、性愛と恐怖がテーマのアンソロジー。初版時に既読のはずだが、キング以外、まったく覚えていませんでした。そんな新鮮な気持ちでの再読で印象に残ったのは、一枚のカードが男を狂気に走らせるワインバーグ「ロー・バーグ」、なんとも表現しがたい悪夢のような、キャンベル「トンネル」、少年の独白がラスト近くで思わぬ展開を見せるカミンスキー「隠しておきたい」など。濃い内容で面白いアンソロジーでした。2020/09/26
那由多
11
「異常な愛と欲望」をテーマにしてて、かなりセクシャリティでサイコパスで血なまぐさい。あのスティーヴン・キングがマトモに見えてくるくらい、皆さん病んでらっしゃる。T.E.D.クランの前書き、頭がおかしい(褒めてます)。『痛悔者』のSMの凄まじさにマジで怯えた。『追いつめられて』『バーバラ』『すべての終わり』タガの外れた女って怖い。一番好きなのは『サイコ』の意外性。2018/07/30
すけきよ
4
「異常な愛情と欲望」のテーマアンソロジー。ホットブラッドシリーズの代わりに着手したんだけど、割と普通にサイコものが多くておとなしめか。お気に入りは、「サイコ」「冷蔵庫天国」「隠しておきたい」「湖の乙女」「ぼくの事情」「痛悔者」「すべての終わり」「薄い壁」リチャード・レイモンとナンシー・A・コリンズはやはり面白い。というか、やはりこういうのが好みか(笑)この面子の中では、比較的邦訳が多い二人だけど、短編集とかは無理なんだろうなぁ。2010/05/25
まっきaka谷林
3
副題通り、「異常な愛」をテーマにしたアンソロジー。しかし、セックス&ホラーを描いた変わり種が多いのかと言ってもそうでもなく、典型的な怪異譚もあれば(「湖の乙女」)、急転直下に飛び込まされるぶっ飛んだ状況を一気に描く作品もあったり(「ゴーサムカフェで昼食を」)。2010/07/25
MADAKI
2
【愛と性と死が隣り合わせにあることを知る】表題作をはじめ、愛し合う、あるいは一方的な愛が恐怖と死につながる物語ばかりを収めた短編集。一人の惨めな女の狂気がナチュラルに周りを巻き込んで破滅的に暴走していく様をごくごく自然な筆致で描いた「バーバラ」が最高。その他、表題作、「ロー・バーグ」「ハンソンのラジオ」「湖の乙女」「追いつめられて」「膜翅目」「薄い壁」「ロケットのなかの欲望」が気に入った。2020/07/05