内容説明
聖なる夜に人はみな、心静かに己れの罪を悔い改め―というわけにいかないのが世のならい。大学構内で出回った贋札造りの犯人探しに奔走するシャンディ教授。いきのいい女探偵のオフィスにころがりこむ死体。クリスマス劇の天使が射殺される一方で、二人の娘とその貧乏亭主に遺産めあてに殺されてしまうと疑心暗鬼の父親。ましてや妻殺しを計画する夫にいたっては…。はらはらさせたり、泣かせたり、一転絶妙のコンゲーム。趣向をこらした書き下ろしのクリスマスミステリーが13編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
8
クリスマスをテーマにしたアンソロジー。クリスマスらしい安心して読めるお話のほうが自分には好みでした。お初の作家さんが多くて「バーゲン品につき…」のドロシーキャネルを追ってみたいと思ったけどあまり邦訳されてないらしく残念。2016/10/05
timeturner
4
全編書き下ろしだなんて贅沢なと最初は思ったけどそうでもないかも。依頼して書いてもらったものを「出来が悪いから採用できません」とは言えないもの。既存の中から選ぶほうが安全だな。でもまあ、休みの日にのんびり読むにはふさわしい内容だった。2018/10/27
madhatter
2
再読。クリスマスミステリのアンソロジーとしては、割に成功している方ではないかと思う。個人的には、悪意や犯罪をダイレクトに扱ったものよりは、クリスマス精神を真正面から、もしくはやや捻って生かした「バーゲン品につき…」や「俺たちの福音」のような作品が好きだ(とは言え、前者にも面白いものは多い)。少々間抜けでほのぼのした雰囲気が、クリスマスにぴったりだと思う。その他お気に入りは「もつれた糸をほどくには」「ファミリー・クリスマス」「ニックが街にやってくる」。2011/06/07
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