内容説明
英国国防省のバトラー大佐は娘から気がかりな話を聞いた。友人のベッキイが誰かを殺そうとしているので、彼女はそれをやめさせるために諜報員のデイヴィッド・オードリーに相談に行ったという。ベッキイは、つい最近アイルランド製の爆弾で殺されたマクスウエル将軍の孫娘で、ダンティスベリ・ロイヤルという村の広大な土地を祖父から受け継いでいた。公安部は将軍爆死事件に政治的背景を見出せなかったが、休暇中のオードリーがベッキイのもとに滞在しているところをみると、何か嗅ぎつけた可能性がある。バトラーは早速、オードリーと面識のない西ドイツの情報部員を村に送りこんだ。だがそこには、まるで誰かを待ち受けているかのような村人たちの目が…。名匠の筆が描く意想外の過去と謀略。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sohara
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昔読んで感激した作家の未読作品を確認して読み残しを減らす、という方針を立てました。公立図書館の蔵書をネットで検索・予約できるというありがたいシステム無しには不可能なプロジェクトです。同じ作者の「隠された栄光」は、私のオールタイムベストミステリー50に入ります。というわけで本作ですが、原作が1983年刊行、東西冷戦が続き、IRAによる爆弾テロが日常的に起こっていた時期の英国が舞台。「隠された栄光」にも出てくる諜報員バトラーとオードリーがひょんなことから巻き込まれた復讐劇が、実は・・・、というスパイものです。2012/04/29