内容説明
酷暑にあえぐ8月のニューヨーク。マンハッタンの東と西で、女性教師とコールガールが同時に、それぞれの自室で死体となって発見された。だが、驚くべきことに、二人の生首はおたがいにすげ替えられていた―。あまりに常軌を逸した犯罪に、捜査は難行する。ユダヤ系移民の初老の警部補ジャネックはこの巨大な都市、人間の欲望が歪み、きしみあうこのニューヨークの裏側に踏み込んでいく。エアロビクスのインストラクター、写真家、スプラッター映画の監督、コールガール組織―。ジャネックと若手女流写真家キャロラインとの心の交流を、サブストーリーとして、描き出される都会の現在。現代の異常さを、犯罪者の心の奥底にまで迫って描ききったこの作品のなかには、どこよりも危険で、どこよりも熱い大都会ニューヨークの魔性がつかみとられている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
円盤人
2
マンハッタンで同時にふたつの首切り死体が発見される。ひとりは女教師、ひとりは娼婦。両者の接点は皆無だったが、その首は互いに取り替えられていた……。あらすじは本格ミステリのようだが、そうしたアクロバティックな論理性は皆無である。本作はドラマ『クリミナル・マインド』を20年先取ったようなサイコミステリであり、刑事ジャネックの孤独、若き写真家との恋、やがて明らかになる同僚の自殺の秘密、警察の暗部――それらからは、恋愛小説、警察小説、ハードボイルドの香りすら漂う。大傑作ではないが、忘れがたき佳作、という感じか。2019/01/17
ルウ
0
★32014/03/01
ロイ
0
★32014/03/01
みふみふ
0
猟奇連続殺人モノが華やかなりし頃?に読みました。2010/01/01